皆さんこんにちは。
ロンドン駐在員のかえる2号です。
まずは全体を知らないとイメージが湧かないと思いますので、
ここではざっくりと全体を眺めてみようと思います。
この記事の目次
海外赴任が決まったらやるべき事
海外赴任や海外移住が決まったら、やらなければいけないことが沢山あります。
そうはもう沢山あって、嫌になるときも・・・。
そして実際の手続きの面倒もさることながら、何を準備しておくべきか確信が持てない不安から、精神的にも疲れてしまう事もあります。
人によっては辞令が数か月前のパターンもあり、短い期間での準備を強いられます。
まずは全体を知らないと、何からやっていいのかもわかりませんよね。
という事で、私が実施した準備項目をカテゴリごとにまとめて記載します。
やること | 主な内容 |
---|---|
渡航関係手続き | ビザ、パスポート、航空券手配 |
公的手続き | 国外転居手続き、税金、年金 |
公共サービス、各種契約関係 | 電気、ガス、水道、NHKなど |
保険契約 | 生命保険、医療保険、学資保険など |
銀行・クレジット手続き | 国内銀行口座・クレジットカードの整理 |
証券口座手続き | 証券口座の整理、株の売却検討 |
引越準備 | 引越手配、持って行くものの検討(航空便、船便) |
子育て関係 | 学校関係の情報収集 |
自動車手続き | 自動車売却検討、自動車保険契約 |
健康・医療 | 健康診断・予防接種、常備薬の準備 |
語学学習 | 英語の勉強 |
赴任国の情報収集 | 生活情報収集 |
ざっと項目別にするとこのようになります。大体は皆さんこんな形かなぁと思います。
人によって当てはまらない項目もあるはずなので、すべて必要というわけではありません。
個々の項目については、状況に応じて選択が必要です。
では次は、それぞれの内容を確認していきましょう。
渡航関係手続き
渡航関係の手続きとしては、次のようなものがあります。
- パスポート・ビザの取得
- 家族帯同の場合は帯同の日程決め
- 航空券手配
ビザ取得および航空券手配については、通常会社で対応してくれる事と思いますので、会社やビザ取得代行業者の指示に従って進めてください。
帯同日程の決定は家族と要相談です。
一般的に多いのは、旦那さんが先に赴任して生活環境を整え、数か月後に家族が合流するケースです。私も家族帯同でしたので、このケースに該当します。
子供連れの家族帯同で一家同時に赴任したケースは、私の知る限りありません。
赴任時は、まずホテル暮らしをする間に現地住居を探して契約するケースが多く、赴任当初は家も決まっていない不自由な環境となります。
そのような背景から、単身で先に赴任することが多いです。
ただし、帯同家族が配偶者のみであれば、一緒に来ても良いと思います。
配偶者が平日から自由に動けるのであれば、家探しや生活必需品の買い出しなど、むしろ助かることが多いと思います。
合流時期については、ご家族や学校・仕事の都合など含め人それぞれ状況が異なりますので、正直一概には言えません。
ただ、私の個人的な感覚では3~4か月後の合流をおすすめします。
私の場合は実は約2か月後の合流でしたが、早い方だと思います。これは出張ベースで事前に英国へ来ていて、その間に家を決めたのが大きかったと思います。
多くの方は赴任してから家探しだと思うので、生活を整えるのにもう少し時間がかかると思います。また、赴任当初の仕事面の忙しさもあり、2か月の合流はちょっと早かったな、と思っています。
このような経験から、3~4か月後ぐらいが妥当かなと思っています。
ただ、これはご家族それぞれの考えなので、よく話し合ってご決断ください。
公的手続き
各種公的手続きが必要です。次のようなものがあります。
- 国外転出届の提出
- 公的年金の手続き
- 児童手当の手続き
- 納税関係の手続き(副収入のある方)
- 固定資産税の手続き(持ち家の方)
私は副収入もなく、持ち家でもなかったので、手続きとしては大してやることはありませんでした。社会保険関係は通常会社での処理になるかと思います。
国外転出届けについては、海外赴任期間が1年以上となる場合は「国内非居住者」扱いとなるため、通常国外転出届けの手続きが必要となります。
公的年金については社会保障協定国への赴任であれば、引継ぎ日本の社会保障制度に加入できます(赴任期間が5年以内の場合)。イギリス・ドイツ・アメリカ・中国などは社会保障協定国に含まれます。
制度詳細や対象国は次の記事にまとめていますので、こちらからご確認ください。
公共サービス、各種契約関係
公共サービスや各種契約手続きが必要です。次のようなものがあります。
- 電気、ガス、水道の解約
- 電話、インターネットの解約
- NHKの解約
- スマホ(SIM)の解約・渡航先スマホの準備
- 郵便物の転送届
契約関係は一個一個だけなら大して問題になりませんが、沢山あるので結構面倒です。
家族が遅れて合流する場合は、解約手続きをお願いしないといけないケースもあります。
スマホについては、SIMフリー端末をお使いであれば、SIMだけを解約して
現地SIMを購入して差し替えればそのまま使う事ができます。
もしSIMフリー端末でない場合は、あらかじめSIMフリースマホを購入して持って行く事をおすすめします。
現地でスマホを購入する事もできますが、渡航後しばらくはスマホなしの生活になってしまいます。
その他、定期購入サービスなどに加入している場合は、そちらの解約も必要となります。
保険契約
各種保険契約も国外転出に伴う手続きが必要です。次のようなものがあります。
- 生命保険の手続き
- 医療保険の手続き
- 学資保険の手続き
保険会社によって提出資料が異なるので、ご自身で連絡を取って手続きを確認しないといけません。
保険契約自体は海外居住でも有効なので、例えば手術給付金とかは請求すればもらえます。
手続きとしては住所変更手続きと、保険金等請求時の代理人設定(親など)をする必要があります。海外居住だと、保険金請求用紙等のやりとりが難しいからです。
銀行・クレジット手続き
銀行口座やクレジットカードの手続きも必要です。次のようなものがあります。
- 銀行口座の継続利用確認(継続 / 解約手続きなど)
- 海外送金可能な口座の準備
- 外貨預金口座の開設検討
- クレジットカードの整理
銀行口座は大手のメガバンクなら海外転出手続きすれば継続できる事が多いです。地方銀行だと対応してくれない所が多く、手続きするかどうかも含めて自己判断です。
私はメインで使っていたUFJ銀行の住所変更の手続きをしましたが、
他の地銀やゆうちょ銀行などの手続きはしませんでした。
最悪凍結されてお金が動かせなくなると困るので、資金は全てUFJ銀行に移動させました。
ゆうちょ銀行の海外赴任予定者に対する回答がありましたので、参考までに掲載します。
当行におきましては、海外への各種お知らせ方法等がないため、可能な限り、現在お持ちの口座は解約していただくようお願いしております。ただし、赴任後も給与の振込み等で利用される目的があれば、非居住者の届けのお手続きを行っていただいたうえで保有することは可能です。
なんとなく雰囲気わかって頂けましたでしょうか?
また、出国してしまうと国内銀行口座を新たに作る事が難しくなります。
ですので、我々駐在員は帰国の事も考えないといけません。帰国時に余った外貨をどう日本に持っていくのか。
サービスや手数料体系も変わるので、
赴任時にすべてかっちり決める必要はないと思いますが、
選択肢を増やしておくために、私は外貨預金口座も開設しておきました。
ただし、外貨送金については、最近はWise(旧TransferWise)などの新興送金サービスがでてきていますので、そういったサービスを利用するのが手数料を最小化するのには良いと考えています。
私もポンド→円の送金をWiseで実施した事がありますが、大手銀行と比べると圧倒的に手数料が安いです。為替相場が良くなった際に日本円で送金するためにWiseの口座を事前開設しておくことをおすすめします。
Wiseで送金した際の方法はこちらの記事をご覧ください。
証券口座手続き
証券口座の手続きも必要です。次のようなものがあります。
- 一般證券口座の手続き
- NISA口座の解約手続き
- 投資信託口座の手続き
- 会社持株会の手続
証券口座。これは本当に悩ませてくれました・・笑。
海外赴任(1年以上)の方は国内非居住者となりますが、ほとんどの証券口座は国内非居住者の口座保持を認めていません。
結局海外居住になると税法上は現地の税法が適用されるので、
証券会社としては、種々ある海外の税務処理に絡むややこしいことをしたくないのかな~なんて思いました(想像ですが)。
SBI証券など一部証券会社で株の保持・売却は可能なようですが、購入は不可。また売却した場合の売却益の税務処理を(必要に応じて)自分でやる必要があると、とてもハードルが高く感じました。
ただ結局のところ、これも銀行と同じで口座解約手続きするかは自己判断です。
私はいくつか口座持っていましたが、ほとんど使用していない口座は解約するのも面倒で、そのまま放置してきました。どの道使わない口座なので解約してもしなくても、あまり問題にはならないでしょう。
ただし株式売買については別です。取引きがバレると、最悪口座凍結という事にもなりかねませんので、避けた方が無難だと思います。
2018年3月頃 での情報ですが、NISAは国内居住者用の制度なので継続不可。確定拠出年金は継続可(厚生年金加入が必要)でした。
NISAは国内非居住者であっても、5年以内の海外転出であれば継続可能となりました!!
別途継続申請の手続きが必要になります。
海外赴任時の証券口座の対応や配当金・NISA・確定拠出年金などの取り扱いについては次の記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
私が海外赴任中に実践しているIPOポイント投資についても記載しています。
引越準備
引越手続きや準備も必要です。次のようなものがあります。
- 不用品処分
- 引越し荷物の仕分け(航空便・船便・トランクルーム)
引越しは荷物整理が結構大変でした。
大まかにトランクルームへ保管するもの。船便・空便で運ぶものにわけて、あとは業者にお願いする形になります。
一般的には引越費用は会社持ちとなります。会社によって上限金額が設定されている事もあります。
私自身が海外生活する中で「持って来てよかったな~」と思ったものは、こちらの記事でまとめています。
是非みなさんの荷造りに参考にしてください♪
子育て関係
子育て関係の下調べや手続きも必要です。次のようなものがあります。
- 赴任先の学校、幼稚園の情報確認
- 現地スクール・日本人学校かの決定
お子さんがいらっしゃる方は、赴任先での学校探しをしないといけません。
日本人学校は一般的に費用も高く、もし会社の補助がない場合は自腹で払うのは結構大変な額になります。
教育費補助のあり・なしにもよりますが、大きな悩みとしては、現地スクールに入学させるのか・日本人学校に入れるのかの選択があります。
私は幼稚園の年齢の子供がいますが、妻と相談して結局現地スクールに入学させました。せっかくの海外赴任ですので、現地の人たちとのかかわりを持って欲しかったのが一番の理由です。
イギリスの赴任でしたので、英語を学んでほしいという気持ちももちろんあります。ですが、帰国後にインターナショナルスクールなどに入れて英語力をキープさせたいというようなつもりは今の所ありません。
イギリスは多民族・多宗教の文化ですので、英語以上に実体験として色々なバックグラウンドを持った人がいる事を肌で学んでほしかったからです。
というのも、色々な国・人種があって、話す言葉も文化も違う事を感覚として理解してくれているように思います。もちろん海外で生活している以上、日本人学校に行っていてもそういった感覚は得られるとは思いますが、バックグランドの違う友達と遊びながら培った感覚は得難い経験ではないかな、と勝手ながら思っています。
英語の面では、発音は子供が一番良くなりました( ´∀` )(笑)
イギリスの幼年教育ではフォニックス(phonics)と呼ばれる方法で、英語の綴りと発音の規則性を学ぶのですが、これがとてもよかったです。意味を知らない英単語も読めるようになりました。
自動車関係
自動車関係の手続きも必要です。次のようなものがあります。
- 自動車の売却手続き
- 自動車任意保険の解約
- 各種証明書(無事故証明書、中断証明書など)の取得
- 国内免許証の更新
基本的に自動車は売却するかと思います。
赴任先に持ってくる人は殆どいないと思います。
自動車保険は無事故期間を証明する証明書を用意すれば、赴任先でも割引金額で契約できます。忘れないように各種証明書を準備しておきましょう。
健康・医療
健康や医療関係の準備も必要です。次のようなものがあります。
- 健康診断
- 予防接種
- 予防接種証明書の取得(小さいお子さんがいる場合)
- 常備薬の準備
- 歯医者他かかり付け医の受診
子供の予防接種など、専門の海外渡航医がいる病院に行って見てもらう事になると思います。
また、歯医者なども国内で行っておいた方がよいです。健康は大事ですので、忙しくても時間を作って行きましょう。
語学学習
語学学習に関しても、必要に応じてやっておきましょう。次のようなものがあります。
- 英語学習(本人、家族)
- 赴任先で使える日本語教材の準備
我が家は妻が英会話スクールに通ったり、子供にyoutubeで英語のアニメを見せたりしていました。
また、特に子供を赴任先で現地校に通わせる場合など、日本語の学習教材があるとめちゃくちゃ便利です。
我が家はKUMONのひながな・カタカナの教材を使って日本語を教えていきました。
また、赴任者本人や家族の英会話能力に不安がある場合など、気軽に英会話経験を増やす事ができるオンライン英会話がおすすめです。
実際に赴任して体感したのですが、海外赴任すれば英会話力が伸びる・・・というわけではありません。ここでは読み書き含めた総合的な英語力ではなく、特に英語で会話する能力を指して英会話力といっています。
同じ駐在員仲間を見ていても、やはり日常的に英会話をする経験量が多い人ほど英会話力が伸びていきます。いつまで経っても英語が口から出てこない駐在員は、英語で話す(話そうとする)経験が圧倒的に少ないのが共通項です。
オンライン英会話は気軽に初めて、更に気軽に辞められる( ´∀` )(笑) とっても便利なツールです。まだ英会話そのものに慣れていない方や苦手意識がある方など、駐在前後に活用を検討してみてはいかがでしょうか。
私はDMM英会話を利用しており、その経験からDMM英会話をおすすめしています。こちらの記事にオンライン英会話の主要3社の比較、またその中でDMM英会話を選ぶ理由や注意点も合わせて紹介しています。
赴任国の情報収集
その他、次のようなものがあります。
- 赴任先の常識や環境
- 赴任先の住宅事情
- お子さん連れの場合は子供に関する法令の確認(子供だけでの外出規制とか)
生活環境が大きく変わりますので、赴任先の環境の確認はしておきましょう。
ロンドンでの家探し・物件選びのポイントについては、こちらの記事でまとめています。よろしければ参考にしてみて下さい。
気になる情報はネットなどで調べるしかないと思いますが、不安は尽きないかもしれません。
あまり不安になりすぎず、赴任先で楽しめる美味しい食事・レストランとか、季節のイベント、観光地などを調べてポジティブに赴任準備を進めましょう。
最後に
一通り思いつくところを書いてみましたが、いかがでしょうか?
ただ1つずつ計画立ててやっていけば必ず終わります!だから大丈夫です。
それに、「あーこれ忘れてた。。」
みたいなことが往々にしてあるものですが、案外どうにかなります。
赴任後に行きたい旅行先など楽しい事を考えながら、
なるべく気楽に、優先順位をつけてやっていきましょう。
本サイトでは、他にもイギリス渡航後にやるべきことや海外お役立ち情報などをまとめています。
よろしければ是非ご覧になってください。
この記事が、皆さんの海外生活のお役に立てれば嬉しいです。
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なにから手を付けていけばよいのか、困ってしまいますよね。私も同じでした。
この記事では、私の実体験をもとに海外赴任が決まったらやるべきことをカテゴリ別に説明していきます。