【ロンドン家探し】入居までの流れ・物件選びのポイントを徹底解説

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みなさんこんにちは、ロンドン駐在員のかえる2号です。
海外赴任が決まったら、どんな家に住もうか考えるが楽しみな一方、全く知らない土地での住宅探しに不安になるかと思います。

かえる2号
私も同じように、赴任が決まってからの住宅探しを不安と共に進めてきました。

そこで今回は、ロンドンでの住宅探し事情を徹底解説していきます。
イギリス住宅の種類や、入居までのプロセスなど順にご説明していきます。
実際に住んでからわかる事もありますので、そのような物件選びの注意点もできる限りお伝えしていきます。

この記事でわかること
・イギリス住宅の種類
・物件探し → 入居までの流れ
・物件選びのポイント
・ロンドンの日系不動産屋さんリスト

イギリス住宅の種類

かえる2号
まず初めに、イギリス住宅の種類として、どんなものがあるのかを知っておきましょう。
イギリス住宅は大別すると、「ハウス(House)」と「フラット(Flat)」に分かれます。

ハウスはいわゆる一戸建て住宅を指し、フラットはマンション・アパートのような集合住宅を指します。

単身赴任や学生の短期留学などの場合はフラットを選ぶ事が多いです。
一方で家族帯同での赴任の場合は、敷地面積が広い事の多いハウスタイプを選ぶ事が多いです。

もちろん家族向けのフラットもありますので、あくまで大まかな区分として理解いただければよいと思います。

ハウス

ハウスタイプの住宅は、更に次の様に区分されます。

ハウスタイプの特徴
・一般に敷地が広く、庭がある事も多い。
・フラットよりもセキュリティ面で劣る。庭や裏口から侵入しやすい。

①デタッチハウス(Detached House)
 一戸建ての一軒家です。4ベットルーム以上ある事が多く敷地が広い。

②セミデタッチハウス(Semidetached House)
 デタッチハウスを1,2階もしくは左右で割っているような物件。
 3ベットルーム以上が多く敷地も十分。
 下の写真だと、左右で別の家族が住んでいるような家です。

③テラスハウス(Terraced House)
 英国式長屋。複数の家が横つなぎになっている。
 長屋といっても内部はセミデタッチと同様に広い事が多い。

④タウンハウス(Town House)
 現代風のテラスハウス。駐車スペースなども考慮して作られている事が多い。

⑤ミューズハウス(Mews House)
 元々は馬小屋であったものを改装して作られた長屋住宅。都心に多い。

フラット

フラットタイプの住宅は、更に次の様に区分されます。

フラットタイプの特徴
・一般に敷地はハウスよりも狭い。
・ハウスよりもセキュリティ面で不安が少ない事が多い。
・ポーターがいる場合は、不在時でも宅配荷物を預かってもらえる。

①パーパスビルドフラット(Purpose Built Flat)
 マンションタイプの集合住宅。ポーターと呼ばれる管理人が常駐している物件も多い。

②コンバージョンフラット(Conversion Flat)
 大きな一軒家やセミデタッチハウスなどを改装して作られた集合住宅。
 見た目は一軒家とほぼ同じだが、各階や左右で細かく部屋が分かれていることが多い。
③スタジオフラット(Studio Flat)
 ワンルームマンション。

物件探し~入居の手順

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では次に、一般的にどのような手順で物件入居に至るのかを説明します。
大まかな入居プロセスは次の通りです。
物件入居プロセス
①物件探し&内覧予約
②条件交渉・申込
③契約書の作成
④Inventory Check-in
⑤入居!!

①物件探し&内覧予約

物件探しは、日系不動産のウェブページなどから事前に探します。
そして気に入ったものが見つかったら不動産屋に連絡を取り内覧予約を行います。

赴任前に日本で目星をつけておいて、赴任後に物件巡りをして探す方が多いと思います。
正式赴任前の出張期間中に物件を決めるパターンや、日本からネット情報だけで物件を決める方もいるようです。

内覧予約の際には、予算や希望条件を伝えれば不動産屋の担当者が他の物件も紹介してくれます。
ただ、あまり見すぎると収集が付かなくなるかもしれませんので、見すぎには注意しましょう。

私が赴任する際は、不動産屋3社と連絡をとり内覧を行いました。
その内1社は、担当者の方の対応や雰囲気など合わないと感じたためやめ、他の2社から紹介を受けた6物件の中から選びました。

家族帯同の場合は、家で過ごす時間の長いパートナーの意見をしっかり聞くようにしましょう。
私も写真や動画などを沢山とって、当時まだ日本にいた妻と話し合って決めました。

②条件交渉・申込

会社の補助額上限などもあるでしょうから、予算が厳しければ値下げ交渉は積極的に行いましょう。
大家さん次第になりますが、値下げできる事も多いです。私も実際に値下げ交渉をして、いくらか下げてもらったことがあります。

あと逆のパターンで、家賃が会社の補助上限より低い場合です。
この場合はせっかくだから会社の補助をもっと活かしたいと思っちゃいますよね( ´∀` )
こういったケースでは、別の交渉余地として家具などの付帯品を買い替えてもらったり、追加してもらう事で家賃を上げさせる事も可能です。

全て大家さん次第ですが、遠慮せずこちらの要求を伝えるようにした方が良いですよ。

③契約書の作成

条件交渉で合意できたら、いよいよ契約書などの書類作成に移ります。
不動産屋からの案内に従ってTenancy Agreement と呼ばれる契約書類にサインをすればよいだけですが、もちろん全て英語です。

Tenancy Agreementの内容はおそらく不動産屋の定型フォーマットに従って作成されていると思いますので、詳細をカスタマイズすることは中々難しいかもしれません。

しかし、後々のトラブルを避けるため、以下の項目はチェックしておくと良いでしょう。
読むのが面倒なら、不動産屋の担当者に聞きましょう。

契約時にチェックすべき事
・月額賃料
・契約期間(1年更新/2年更新など)
 1年契約が多い。2年契約にして賃上げをなくすというパターンもあり。
・退去時の取り決め
 退去時の通知期間。テナントは1か月前の通知、大家側からの通知が2か月前など。

④Inventory Check-in

入居前の最後のイベントがInventory Check-inです。
通常入居日に実施され、これが完了次第カギを受取ってそのまま入居となります。

Inventory check-inの目的は、物件入居前の状態を確認・記録することで、通常は専門業者が行います。
物件に行くと既に業者が各設備の確認を済ませていることがほとんどなので、入居前の物件状態の説明(どこそこがちょっと壊れているとか、塗装が割れているとか)を受けるのがメインです。

ちなみに退去時にも同様のものがあり、これはInventory check-outと呼ばれます。
そして、物件退去時に入居時になかった破損・損害(経年劣化の範疇を超えるもの)が確認された場合は、その修理費用を請求される可能性があります。

Inventory check-in当日は、業者の話を聞くだけなのであまり重要ではありません。
それよりも、後日不動産屋から送付されるInventory check reportをしっかり確認しましょう
このレポートは業者が物件を確認した結果の報告書で、各部屋の状態について写真やコメントが加えられています。

小さな傷などが問題になることはほとんどありませんが、大きな傷やカーペットの変色などの記載が漏れているようなら、後々のトラブルを避けるために遠慮なく指摘しましょう。

ただ正直レポートをいちいち読むのは面倒だと思います。
その場合は、入居時の物件状態の写真をしっかり撮っておくことをオススメします。

手元に当時撮影した写真があれば、退去時の状態と比較する為に使う事ができます。

⑤入居!!

これで、ついに入居です( ´∀` )!!
入居したら水道・ガスの契約やインターネット契約、身の回り品の購入など、英国での生活を整えていきましょう♪

赴任後に購入すべきものや携帯SIMプラン情報についても別記事でまとめています。

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物件探しの注意点

かえる2号
次に、英国で賃貸物件を探す上で気を付けるべき事・知っておくべき事をお伝えしていきます。

家賃は毎年上がる

イギリス住宅の家賃は、毎年上がる事が多く通常0-5%/年程度と言われます。
コロナ禍で賃料据え置きとなるケースも多かったようですので、もちろん経済・不動産事情にもよります。

大家さん次第な所もありますが、契約更新時の値上げを念頭に置いて物件探しをしましょう

例えば、会社の家賃補助上限が£3,000で、£3,000の物件を契約した場合は、将来的に自腹を切る可能性がある事をあらかじめ覚悟しておく必要があります。

会社補助の範囲で納めたい場合は、駐在期間も見据えた上で、ある程度余裕を見た価格で探しましょう。

給湯・暖房設備

かえる2号
イギリスの家庭ではガスボイラーが主流です。
給湯設備にもメリット・デメリットがありますので、貯湯タンクのあり・なしを確認して物件の給湯システムを知っておきましょう。

また、英国の給湯設備は貧弱です。
ボイラーの不具合が発生した時のことも考えておきましょう。
私の経験からすると、1年に1回くらいの頻度で何らかの不具合が発生しています。

【貯湯タンクがある場合】

貯湯タンクがある場合は、お風呂などの給湯はタンクから・暖房はボイラーから供給される事が基本です。

タンク式の特徴
・タンク内のお湯がなくなると、しばらくお湯が使えない。
・電気ヒータ付きタンクであれば、故障時でもお湯を沸かせる。

タンク内のお湯を使い切ってしまうと、再度湯沸かしが完了するまでお湯が出ないというデメリットがあります。
一方で、ボイラー故障時でもタンク内のお湯は使えます。ただボイラーが動いていないのに気が付くのがタンクのお湯が切れた時だったりすると、あまり意味がないです。

家族帯同でタンク式の場合はタンク容量をチェックしておくと良いでしょう。
私の家はタンク式で容量は120Literと少なめと思いましたが、普段使いでお湯切れする事はありません(夫婦2人と小さな子供2人の家族構成です)。洗濯でお湯を使うかどうかなどにもよるので、使い方に依存します。

また、貯湯タンクにイマージョンヒータと呼ばれる電気ヒータがついているかを確認しておきましょう。これがあると、ボイラーが故障で使えなくても、電気ヒータをコンセントに繋げればお湯を作ることができます。

【貯湯タンクがない場合】

貯湯タンクがない場合は、1台のボイラーで暖房・給湯すべてをまかなっています

タンク式の特徴
・お湯切れがない。
・お湯の同時使用には弱い。

・ボイラー故障時は、給湯・暖房共に使えなくなる。

いつでも必要分のお湯を供給できますので、お湯切れがないのがメリットです。
一方で、シャワーなどでお湯を使っている場合は、暖房が弱くなったり、他の場所で同時にお湯が使えない(もしくは温度が下がる)などのデメリットがあります。

ボイラー故障時はもちろんお風呂は使えません。
故障時の為にイマージョンヒータを別で準備しておくと万が一の時にも安心です

Amazon UKなどで”immersion heater for bath”などと検索すれば出てきます。こんな感じのもので、浴槽に入れてコンセントをさせばお湯が作れます(温め過ぎには注意!)。

庭の良い点・悪い点

ハウスタイプの物件は庭付きも多いです。
私の家も庭付きですが、私が感じたメリット・デメリットをご紹介します。

庭付きのメリット
・外に出て子供と遊んだり、気分転換したりできる。
・天気が良い日はバーベキューを楽しめる。
庭付きのデメリット
・芝刈りが面倒。
・垣根や植物の手入れなどが面倒。

私はバーベキューなど楽しめるので、庭付きで良かったと思っていますが、正直芝刈りなどの手入れは非常に面倒です。特に春から夏場は、雑草などの生い茂るスピードがめちゃくちゃ速くて驚きます。

もしガーデニングが趣味ならば、野菜や花を育てたり、逆に楽しいかもしれませんね。

駐車場の有無

車を購入予定であれば、駐車場付き物件であれば駐車場代を節約(家賃補助が全額会社負担の場合)することができます。

ただ、路上駐車のPerking Permitは年間で£100も行かないくらいだったりしますので、あまりこだわる必要はないと思います。

ガレージ付きの物件の場合は車が入るかもしれませんが、ガレージは裏手の住民専用道路(道路に入るゲートに鍵付き)から入る必要があったりします。その場合、毎日ガレージに止めるのは面倒で、結局路上駐車になる事が多いです。

一時帰国・旅行時などの長期不在時に車をガレージに入れられるのは、防犯上良い点ですね。

入居後の注意点

ここからは入居した後の注意点をお伝えします。

修理は大家持ちが基本

入居後に、備え付きの家具や家電製品が壊れたり、不具合があったりすることがあると思います。
日常使いで生じた不具合の修理費用は基本大家持ちです(電球などの消耗品はテナント負担です)。

大家によっては、こちらに非がなくとも費用の一部負担などを要求してくることがあるようです。知らずに負担してしまったという話も聞きます。

入居者の明らかな過失で壊してしまったものについては、費用負担が必要な場合もあると思いますが、基本的に修理費用は大家持ちと理解しましょう。

私は子供がふざけて遊んで壊したものがあったのですが、子供が・・・ときちんと説明して謝りました。
明らかにコチラが悪かったのですが、その時は大家の費用負担で直してくれました( ´∀` )♪

壁に穴をあけない

ポスターや額を飾りたい場合など、画鋲やねじで壁に穴をあける際は大家の許可が必要です。
勝手に穴をあけるとあとで揉める要因になりますのでご注意下さい。

壁に強力テープでポスターなどを貼る際も、剥がす際に壁の塗装が一緒にはがれる事がありますのでご注意ください。

長期不在中でも暖房はON

一時帰国などの長期不在であっても冬季暖房は絶対につけっぱなしにしておきましょう。
暖房を消してしまうと、配管内の水が凍結し水道管が破裂することがあります。

クリスマスの挨拶を忘れずに!

イギリスではクリスマスになると、大家とテナントでクリスマスカードやお菓子など贈り合う事が一般的です。物件にポーターがいる場合は、ポータに渡します。

日本の年賀状的なものだと思えばよいと思います。
私はこれを知らなかったので、大家からクリスマスカードをもらって慌てて準備していました(笑)

大家によってカードだけだったり、お菓子があったりと様々みたいです。
入居後のトラブルをなるべく避けるためにも、日頃から大家さんとの関係性を良くしておくと良いでしょう。

日系不動産リスト

かえる2号
では最後に、ロンドンで有名な日系不動産屋をいくつかご紹介します。

ロンドン-東京プロパティーサービス

創業1987年。英国賃貸住宅協会・英国住宅販売協会の会員。
日系で最大規模の6支店を展開しています。

会社基本情報
【カバーエリア】ロンドン中心部・西部・北部
【ウェブページ】https://www.london-tokyo.co.uk/
【支店数】6支店

リロ・リダック・ストラットンズ

旧JACストラットンズが、日系不動産ジャパン・ホームズを2018年に吸収合併し、その後リロ・リダック・ストラットンズに社名が変わりました。創業1975年と歴史も長い日系不動産さんです。

英国赴任生活に関するWebオリエンテーションを定期的に実施しているようです。
英国生活情報や住宅事情などを気軽に相談する場として良さそうです。

会社基本情報
【カバーエリア】ロンドン中心部・西部・北部
【ウェブページ】https://www.redacstrattons.com/jp/
【支店数】3支店

Japan Services

1976年設立。
日本人学校や日系幼稚園のある西ロンドンのアクトン・イーリング地区に特化した不動産屋さんです。

会社基本情報
【カバーエリア】ロンドン西部
【ウェブページ】https://japanserviceslondon.jp/
【支店数】1支店

KENS ESTATE

2001年設立。2021年に前身のフジロンドンプロパティーからケンズエステイトへと社名を変更しています。
フィンチリーにオフィスを構えています。

会社基本情報
【カバーエリア】ロンドン中心部、西部、北部
【ウェブページ】http://kensestate.com/
【支店数】2支店

Benham&Reeves

日系ではありませんが、ロンドン全域で手広く展開しており、支店数も18支店と多いです。
Japan Deskがありますので、日本語で対応も可能です。

会社基本情報
【カバーエリア】ロンドン全域
【ウェブページ】https://www.benhams.com/
【支店数】18支店

さいごに

今回は、ロンドンで物件を探すときの流れや、注意事項などをお話させて頂きました。
英国生活の基本となる住宅選びは、現地生活を左右する大事な事です。

かえる2号
不安と期待の入り混じった海外生活ですが、物件探しで色々と家を見ていると新生活への期待が膨らみ気分も楽しくなったのを覚えています。

皆さんが英国生活を共にする素敵な物件を見つけられる事を祈っています♪

 

本サイトでは、海外赴任前後に必要な手続き海外生活情報ついてもまとめています。
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