【まとめ】海外赴任 渡航前 公的手続き やること

みなさんこんにちは、ロンドン駐在員のかえる2号です。

かえる2号
今回は私が実際に行った渡航前の公的手続きについてまとめています。

私の場合の例ですので、前提として会社員が海外赴任となった場合のケースになります。

公的手続き一覧

まずは、本記事で取り上げる公的手続き関係の一覧を示します。
詳細は一つ一つ見ていきましょう。

公的手続き関係一覧
  • パスポート・ビザ
  • 年金(厚生年金)
  • 健康保険
  • 税金関係(所得税・住民税・固定資産税)
  • 国外転出届

パスポート・ビザ

パスポート

とにもかくにもパスポートが必要です。
ご家族含め既にお持ちの方も多いと思いますが、既にお持ちの方も有効期限切れが近い場合は更新が必要です。

一般に有効期限が2年以上ある場合は更新不要。
2年未満の場合は更新手続きが必要になりますが、これはビザ発給の為にある程度の有効期間が必要なためであり、赴任国により様々なようです。

国によってはビザ取得のために赴任期間以上の有効期限が必要という厳しい国もあるようなので、必要な残存期間についてはビザ手配業者や会社に確認するのが一番です。

私は子供のパスポートがまだ無かったため、子供のパスポートを新規発券しました。未成年者(20歳未満)は有効期間5年のパスポートになるのですが、まだ幼児の頃でしたので、今見るとこの写真に本人確認の機能まったくないな、、、と思ってしまいます。

【パスポートの新規発給・更新場所】

各都道府県によって異なります。
居住区の旅券センターなどに確認ください。

【新規発給・更新に必要な書類】

  • パスポート申請書(Web入力可)
  • 戸籍謄本(抄本)
  • 住民票の写し(住基ネットで確認可能な方は不要)
  • 写真(縦4.5cm 横3.5cm)
  • 本人確認書類(運転免許証など)

ここから、外務省のパスポート発券に関するページに移動できます。
パスポート申請書はWeb入力対応していますので、事前にやっておくと便利です。

パスポートの写真については、旅券センターに写真屋さんが併設されている事があります。
特に小さいお子さんの写真はきれいに撮るのが難しいので、併設の写真屋さんでとってもらうと便利です。私もそうしました。

ビザ発給

海外赴任にあたっては、ビザの手配も必要です。

手続きについては、駐在員の場合は会社が仲介業者を通して手配してくれると思いますので、ビザ手配の業者の指示に従って手続きを進めればよいです。

イギリスの場合は、英国ビザ申請センター(VFS.GLOBAL)が東京・大阪にあります。
ビザ申請書類を作成後は東京・大阪のどちらかに、子供も含めて必ず本人が訪問する必要があります。

私は先にイギリスに赴任していて、後から家族が合流のスケジュールでしたので、妻は幼い子供を2人連れて大阪まで行ってと、中々大変だったようです。。
子供が小さく大変な場合は、親族に同行をお願いすることをおすすめします。

ところで、皆さんビザって一体何なのかご存じでしょうか?
私はなんとなく知ってるつもりで、よくわかっていませんでした。
皆さんご存じかもしれませんが、調べたところ、次のような定義となっていました。

ビザって一体なにもの??
ビザとは、「査証」などといわれ、海外渡航者が正当な理由で渡航していることを証明したものです。ただし、ビザ=入国許可ではなく、入国に必要な書類の一つであり、入国を許可するか否かの判断は、その国の入国審査官により行われるそうです。

年金(厚生年金)

では次は年金について確認していきましょう。
私のような会社員は厚生年金に加入していますが、海外赴任となると一体どうなるのでしょうか?

まず、日本企業での異動に伴う海外赴任の場合は、赴任国とその期間によって対応が変わってきます。

通常赴任国で仕事・生活する場合は、その国の年金制度などの社会保障制度に加入します。ただそうなると、日本の年金制度・赴任国の年金制度に二重で加入しなければならなくなりますよね?
それだと保険料も二重払いになってしまいます。

そうならないように、日本は各国と社会保障協定を締結しています。
英国もきちんと含まれていますね。

地域社会保障協定国
欧州英国、ドイツ、フランス、オランダ、スペイン、ベルギー、ルクセンブルク、
チェコ、スロバキア、アイルランド、スイス、ハンガリー
アジア中国、韓国、インド、フィリピン
オセアニアオーストラリア
北米・南米アメリカ、カナダ、ブラジル
イタリア・スウェーデン・フィンランドは協定署名済ですが、未発効となっているようです。

社会保障協定国への5年以内の派遣の場合は、赴任国の社会保障制度への加入は免除されます。
そして、引き続き日本の社会保障制度への加入が認められます。

ただし、派遣期間が5年を超える(と見込まれる)場合は、原則就労する国の社会保障制度にのみ加入することになり、日本の社会保障制度には継続加入できなくなります。

一般に駐在員は3~4年の短期滞在のケースが多数だと思います。
その場合は、基本的には国内居住時と変わらず、日本の社会保障制度への加入となります。

厚生年金についても同様に継続になり、特別な手続き等は不要となります。
私も英国で5年以内となりますので、現在厚生年金に継続加入しています。

長くなりましたが、まとめると以下のようになります。

駐在期間加入する社会保障制度
5年以内と見込まれる場合日本の社会保障制度
5年を超えると見込まれる場合赴任国の社会保障制度
*赴任国での現地採用赴任国の社会保障制度
*社会保障協定未発効の国日本及び赴任国の社会保障制度
【補足】年金定期便について

ねんきん定期便の送付は停止されますが,赴任先での受け取りを希望される方は、日本年金機構のページ(ねんきん定期便の海外送付手続き)から申込可能です。
私はあまり気にならず、登録はしませんでしたが・・・。

健康保険

健康保険については、駐在員は継続加入の扱いになりますので、対応不要です。
国内派遣元企業との雇用関係・給与支払いなどの関係があれば、被保険者となります。

「適用事業所」と使用関係(労務の提供,賃金等の支払い,人事管理等を総合的に判断)があれば,被保険者となります。出向等により海外に居住している方も,適用事業所と使用関係があれば被保険者となります。

外務省 海外在住者日本の医療保険、年金ページより

税金関係

次に税金関係です。
私は幸い必要な手続きはありませんでしたが、人によっては必要となりますので、要注意です。

所得税・住民税

所得税・住民税は会社側での給与で処理されていますので、私は何も対応していません。

所得税は海外勤務で得た所得については課税されません。
ただし、非居住者であっても国内源泉所得がある場合は課税されるようです。

特に不動産所得などある方は課税対象となりますので、その場合は必要な手続きを別途ご確認ください。

次に住民税は、1月1日時点の住所が日本にある場合に前年所得に対して課税されます。そのため出国日によって住民税の発生が異なりますが、納税処理は通常給与天引きされているものですので、納税対応の手続きは不要です。

もしも年末付近での出国となる場合は、1月1日までに出国することで住民税の納税を免れる事が可能です。
ただ大抵の場合、出国日は会社都合で決まるので、どうしようもないかと思いますが・・。

住民税の課税期間の例

例えば、2021年3月31日に出国する場合は、2021年1月1日時点では国内居住であるため、2020年所得に対して課税され、支払い義務が生じます。
そして翌年2022年の1月1日時点で海外居住の判定となり、2021年分の所得に対する課税がなくなります。

納税管理人の届出(持ち家・不動産所得など)

その他持ち家・土地がある方や、不動産所得がある方、帯同予定の配偶者が引きまとめまでに国内収入がある場合など、確定申告を行っている方は手続きが必要になります。

私は幸い持ち家もなく、手続きの必要がありませんでした。
対応が必要な方は、居住地域の税務署や市役所で必要な手続きをご確認されることをお勧めします。

また、住宅ローン控除関係の手続きもあるようですので、持ち家の方は確認が必要です。

国外転出届

国外転出届けは、1年以上の予定で海外勤務となる場合に必要です。
“住民票を抜く”とも言われますが、この国外転出届けを役所に提出することで、国内非居住者の扱いとなります。

提出先

住民票のある地区の市役所での手続きが必要です。

*家族帯同の場合
本人が先に渡航する場合は、本人分だけ先に手続きを実施することになります。
私の場合は家族は数か月遅れで合流しましたので、妻に子供たちの分含め役所での手続きをお願いしました。

提出期限

国外転出日の14日前から届け出可能。

出発直前は忙しいと思います。
平日に役所に行く時間がとれない場合など、事前に市役所の窓口営業日・対応可能手続きを確認して、あらかじめ予定を立てておくとよいでしょう。

必要書類

  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)
  • 届出人の印鑑
  • 印鑑登録証(登録者のみ)
  • 国民健康保険証

児童手当はどうなるの?

児童手当を受給している方で、海外転勤をきっかけに受給対象から外れる場合は、児童手当の消滅手続きを同時に実施することになります。併せてやっておきましょう。

役所の担当者から案内があると思いますが、もしなければ聞いてみてください、手続き書類を出してくれるはずです。

海外赴任中に児童手当は受け取れないの?

海外在住になると子供手当を受け取ることができないの?と疑問に思われるかもしれません。

児童手当の支給対象は、「留学などを除き原則日本国内に子供が住んでいる場合」です。
単身赴任で、配偶者・お子さんが国内に留まる場合は継続支給されますが、家族帯同で赴任される方は支給対象外となります。

在外選挙人名簿の登録申請

海外からの選挙参加には、在外選挙人名簿の登録申請が必要です。
渡航後も手続き可能ですが、一番簡単なのは転出届けを提出する際に合わせて申請することです。申請はパスポートがあれば可能です。

出国前申請を実施した場合は、次のような手順で在外選挙人証を受け取ることができます。
大使館に訪問する必要がなく、この方法が一番楽です。

渡航後に手続きする場合の方法については、こちらの記事でまとめています。

出国前申請の手順
  1. 転出届を提出する際に、在外選挙人名簿への登録申請を実施する。
  2. 海外赴任後、住居が定まったら在留届を提出する。
  3. 在外選挙人名簿へ登録される(手続き不要)。
  4. 後日、在外選挙人証が交付される。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
色々面倒な手続きが多くて嫌になってしまいますよね・・・私もそうでした!

まずは何をしないといけないのか知ることが大事だと思います。
それから、一個一個順番に予定を立ててやっていけば、必ず終わりますので大丈夫です。

かえる2号
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