【英語勉強法】英会話に効果あり!Public Speakingのすゝめ

みなさんこんにちは。
ロンドン駐在員のがまくん2号です。

英語圏に居る多くの日本人が悩み、喜び、上手くなりたいと切に願っているもののひとつ・・・それは英会話ではないでしょうか。

がまくん2号はある程度大人になって、特に仕事で英語を使うようになってから、本格的に英語学習を始めました。以来、語学学校、Youtube、オンライン英会話、書籍等・・・お金と時間をどれくらい費やしてきたか分からない!!!

それなりの努力のかいあって一応英語で仕事をできるレベルにまでは達しましたが・・・ロンドンに来て再度思い知りました・・・英語でのコミュニケーション難し~( ;∀;)

そんなロンドン英語(※British Englishではない)に日々苦闘するなか、これは目から鱗!という学習方法に出会いました。

がまくん2号
今回は「英語の音の作り方」や「英語で効果的に話を相手に伝える」方法に着目した、英会話に効果的な英語の学習方法として『Public Speaking』を紹介します。結論、得られた理解とスキルで、私のロンドン英語における英会話能力はかなり向上したと思います!

英会話が難しいと感じる理由とその処方箋

Public Speakingの有用性を紹介する前に、やや長いイントロダクションを。

英語に苦労している日本人なら一度は抱いたことのあるこの疑問。

「ナンデ、エイゴダトシャベレナイノ・・・?」

そう、幼少期から英語圏で生活でもしていない限り、日本人は一般的に英会話が苦手です。

ちなみに、がまくん2号の英語力はCEFR(Common European Framework of Reference for Language:ヨーロッパ共通参照枠※)でいうところのC1(上から2番目)で、一応そこそこ高いレベルにあるはずなんですが、それでもやっぱりローカルとの会話には胃がキュッとなる緊張感が伴います。えぇ、正直苦手です。
(渡英当初、家に来た配管工のおじちゃん、何言ってるか全然わかんなかったなぁ・・・)
※ ヨーロッパにおける英語又は他ヨーロッパ言語の習得基準

なんでなの?どうしたら上手くなるの?

その点について、ちょっと持論を解説させてください。

① メンタリティ

結論、英語を話すのに一番重要なのはメンタリティの強さ外交性や社交性です。

とはいえ、間違いを良しとしない文化圏で育ったシャイな日本人にとって、よく知らない外国人との慣れない言語でのコミュニケーションは、一種の恐怖が伴うものでしょう。

しかーし!経験上、語学上達が早いのは、「間違いを犯す恐怖<<<コミュニケーションを取りたい欲」な人、つまり日本語でも英語でもとにかく『おしゃべり』な人達でした。ほんと、宇宙人相手でもしゃべり倒しているんじゃないかみたいな・・・。

悲しい話ですが、内気な性格の人は英会話がうまくなるのが遅いと思います。

でも、誰とでもすぐ打ち解けられる明るい性格に突然なれって言っても、それは無理ですよね。

そこで処方箋①:英語で話す際は演技(キャラ変)せよ

生来の性格はひとまず置いておいて、とにかく最初のうちは「わたしは細かい間違いなんて気にしない、明るい、社交的な西洋人」と思って、演技するように英語を話してみてください。

まずは英語力より、メンタリティの強化です。

② 英会話「筋」力

日本人は英語をコミュニケーション手段ではなく、学問として学んできました

この鍛錬を通じてできるようになることは、頭の中に入っている知識としての単語や文法の出し入れや、これを利用した日本語への変換です。

その結果、自分のペースで行うことのできる試験や読解は得意になりますが、相手が居る意思疎通プロセスには全くついていけない。「(あれなんて言うんだっけ・・・)え~あぁ~・・・」となってる間に、会話は卓球のラリーのように流れ、置いて行かれるという事態となります。

既に知識は十分ある我々日本人に必要なのは、習うより慣れろ!英語をコミュニケーションにおいて使う経験です。

そこで処方箋②:コミュニケーション経験を積んで瞬発力を強化せよ

よく英会話学習は筋トレのようだといわれますが、まさに地道に継続的に続けていくことで、英会話「筋」がつき、瞬発力のあるコミュニケーションがとれるようになる。

まずはオンライン英会話でも、独り言でも、Youtubeの物まねでも構いません。

とにかくアウトプットの機会を増やすのです。

③ 話題の引き出し

ある程度英会話力がついてくると、気が付くのが自らの話題の引き出しがスカスカだということ。

自己紹介等の定型会話や自分が得意な話題では話せるのに、それ以外の話題においては言葉に詰まってしまう。。。がまくん2号も、仕事の話は英語でできるのに日常会話が苦手、正にこのタイプでした。

考えてみれば知らない話題については、日本語でさえ盛り上がらないもの。いわんや、英語なら単語すら聞き取ることすら不可能です、だって知らないんだもの!!!

これについては、とにかく自分の中に色々な話題をストックする必要があります。最初は日本語でだって構わない。

そこで処方箋③:興味関心を広げて話題力を上げよう

ちなみに、英語教師との英会話レッスンは、テーマ、語彙、早さ、発音等、あらゆる点に関して、非ネイティブ向けにコントロールかつ手加減されています。

なので、ある程度経験を積んだら、是非教材やレッスン範囲を超えて、英語媒体のニュース、雑誌、TV、そしてローカルとの会話を通じて、様々なサブジェクトの英語表現や語彙を広げていきましょう!

学習において好奇心に勝るものはなし、です!

がまくん2号
例えば、元々Royal Familyには全く関心がなかったわたしですが、イギリスに来て以来、英国王室関連の記事を読んだり、日本の天皇制と比較したりして、両国の”Monarcy”システムについて知識と英語表現を習得することができました。

番外編:ロンドン英語の難しさ

番外編として、私が個人的に感じるロンドン英語特有の難しさについて。

ロンドンに来て、英語ってこんなにバラエティ豊かなんだ!と初めて気が付きました。

BBCリポーターが話す標準British English(Received Pronunciation, RP)を始め、連合王国を構成するイングランド、スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの各国、イングランド内の地方都市(例えばリバプールやバーミンガム)、そしてロンドン市内ですら(例えばハックニー)、それぞれの場所出身の人が話す英語は、非ネイティブにとっては聞き慣れない独特のアクセントを有しています。

これに加えて、ここは国際都市ロンドン。街中ではヨーロッパ中、いや世界中から集まった人々が話す、母国語訛りのある国際色豊かな英語が飛び交っています。

American English、それも非ネイティブ向けに手加減されたような英語に触れることが多かった私は、初めてロンドン英語に触れたときはその分からなさにトラウマ級の衝撃を受けました。

そこで、処方箋番外編:色々な英語を聞こう、色々なバックグラウンドを持つ人と交流しよう

コミュニケーションを継続していれば、やがては慣れてくるものです。

Public Speaking (パブリックスピーキング)とは

さて前置きが長くなりましたが、全てはここに繋がります・・・!

先ほどの処方箋をカバーし得る学習方法として、『Public Speaking』を紹介したいと思います。

Public Speakingとは

『Public Speaking』とは、その名のとおり公で話すこと。

スピーチ、プレゼン、レクチャー、自己紹介等、人前で話すことは全て『Public Speaking』に当てはまります。

しかし、ただ単に話せばよいというわけではありません。人前で話す=自分の伝えたいメッセージを効果的に聴衆に伝えるという目的があるからです。

効果的なメッセージのデリバリー術をいかに習得するか!が、Public Speaking学習の目的となります。

なぜ、Public Speakingが英会話能力の向上につながるのか

英語でのコミュニケーション経験が圧倒的に少ない日本人は、そもそも英語で自分の言いたいことを効果的に伝えられる術を知りません。

それだからこそ『Public Speaking』を、しかも英語で学ぶことが、効果を発揮するのです!

なぜならそこには、正に、英語で自分の言いたいことをうまーく伝える理論と技(スキル)が詰まっているから。

例えば、英語において聞こえやすいTone(音調)をご存じですか?

(えーそんなこと考えたこともないよ・・・)というそこのあなた!そこなんです、私達日本人はそもそも英語の音の作り方が、日本語と違うことすら知らないんです。

ちなみに、一般的に英語は低音になりやすい言語だと言われています。多くのヨーロッパ言語は日本語より破裂音が多く、話すのにより多くの呼気を必要とするからです。簡単に言うと「腹から音を出す」必要があるので、より大きなドスの効いた声で話すことになります。逆にいつもの日本語を話すように平坦なトーンで英語を話すと、聞こえにくくなってしまいます。

『Public Speaking』では、上記の例を含めて、英語で効果的にメッセージを伝える仕組みを学び、練習することができます

どこで学べるの?

日本で『Public Speaking』というと、プレゼン等のビジネススキルとして捉えられているかもしれません。実際、企業の研修科目に含まれていることも多いかと思います。

しかし、英国ではより広いコミュニケーション術として、ビジネス講座のみならず、ドラマ(演劇)やメンタルヘルス目的等、様々な対象者向けの講座が開講されています。

形態としては、週1回×3か月の授業といったシリーズ講座のようなものもあれば、毎週又は2週に1回くらいのペースで集まるサークルのような形で実施されている場合もあります。

お住まいの地区のコミュニティスクールを見てみるのも良し、MeetupやEventbrite等のイベント紹介アプリで探すも良し、検索してみると意外と色々なところで発見できると思いますよ。

そして語学の授業ではないので、ローカルのネイティブ(級)スピーカーに混じって、様々なディスカッションや演習にチャレンジしていくことになりますが・・・はい、そこ、ちょっとビビりましたね!(笑)

正直、自分のパフォーマンスに落ち込むこともあるかもしれませんが(わたしも幾度となく泣きかけましたが・・・(笑))、所詮は自分のために受ける教養講座。試験もありませんし、ローカルとの交流はそれだけで自分のコミュニケーション能力を鍛える良い機会になりますよ!

それに、実際のところ泣きかけたのは私だけではないんです。ローカルの生徒さんたちも、それぞれの事情で人前で話すことに一種の”恐怖”を抱え、それを乗り越えたいというモチベーションで参加しています。皆で励まし合いながら取り組み、「君は第二言語なのにそれだけやれて本当にすごい」といった言葉をかけてもらえたことは本当に力になりました。

がまくん2号
ちなみに、私が参加したのPublic Speakingの講座はコミュニティカレッジで開校されていたドラマ講座でした。先生はなんと俳優さんで、とても刺激的で新鮮な体験でした。

カリキュラム内容

準備運動・発声・早口言葉:英語の『音』の作り方と明瞭性の向上

え、こんなことが英会話と関係があるの?!

いや、そこが目から鱗!一見何の関係もないように見えますが、そもそも日本人の多くは英語と日本語が言語として全く違うものであることを認識していない

極端に言うと、日本語は口を開かず・抑揚なく・声を出さずに、喋ることのできる言語です。そして英語はその逆。特に女性だと日常そんなに大きな声では話さない方も多いはず。加えて、自信がのないと声ってどんどん小さくなりがちですよね。。。

わたしがよく指摘されたのはarticulation (明瞭性)。そしてそれを改善するために、「口を大きく開けて」、「大きな声」で喋ることを指導されました

がまくん2号
先生には「君の声はそんなもんじゃない!」とよく喝を入れてもらいました(笑)。

具体的にはやったことは、まさに演劇部のそれ!姿勢、口の開け方、舌の動きを良くするトレーニング(早口言葉)、複式呼吸の意識、喉の筋トレ等々。

時間にしては最初の10~20分程度でしたが、自分が如何に英語を話すうえで必須の音を発音できていないことが良く分かったし、例えば姿勢をひとつ整えるだけで、自分の英語の明瞭性が格段に向上するのが分かりました。

早口言葉(Twister Tongue)の例
※ 文章自体に意味があるものではなく、あくまで英語の活舌を訓練するための文章です。

She sells seashells on the seashore.
(彼女は海岸で貝殻を売っている。)
If she sells seashells on the sheshore,
(もし彼女が海岸で貝殻を売っているのならば、)
She must be selling  the seashore shells.
(彼女はその海岸の貝殻を売っているに違いない。)

がまくん2号
この理論や準備運動が、【処方箋①:英語で話す際は演技(キャラ変)せよ】に効果的!英語に関して「音を明確に作る」という点に意識を置くことで、英語で自然な話し方をする意識付けができたからだと思います。

ビーンズバッグ・トス・コミュニケーション

ビーンズバッグ(豆の入った小袋)・トス(投げる)ことによる、コミュニケーションの確立の練習です。

またまた英会話とは何の関係もないと・・・いや、あるんです!

コミュニケーションは、「自分(S:Sender)」と「相手 (R:Receiver)」の間で行われる「メッセージ(M:Message)」と「反応(Response)」のやりとりで成立します。

効果的なコミュニケーションにおいては、話す内容、使う言葉はもちろん、何よりBody Lanuguageが大切特にアイコンタクトによる、「S」と「R」間の互いの認知は必須で、これ無しにコミュニケーションは成立しません

特に英語だと、自分が次に喋ることばかりに集中しがちではないですか。その結果、実は自分の「M」が相手に届いていなかったり、相手の「M」も受け取れていないという独り相撲に。

ビーンズバッグ・トスは、この相互の認知プロセスを意識付けようというゲームで、行うことは以下のとおりです。

ビーンズバッグ・トス
  1. 複数人でサークルを作り、「S」は任意の「R」の名前を呼びかけつつ、「M」に擬えたビーンズバッグを投げる
  2. 「R」はビーンズバッグを受取りつつ、必ず「S」にアイコンタクト=認識をする。アイコンタクトが成立したら、「R」は「S」として1を行う
  3. 「S」が「R」からアイコンタクトを受け取ってないと判断したら、ゲームは中断し、当該「R」は減点

このゲームを行うと、日々のコミュニケーションがいかに自分本位のものになっているか、ということが良く分かります。バッグの受渡に集中して、相手を見ることをおろそかにしてしまうんですよね・・・先生からは、「acknowledgement(認知)の成立無しにコミュニケーションを始めようとするな!」とよく指摘を受けました。

がまくん2号
相手との相互「認識」は、【処方箋②:コミュニケーションを積んで瞬発力を強化せよ】の導入として必須です。コミュニケーションの入り口として、このことを意識できているか否かで、大きな違いがあると思います。

エクササイズ:リサーチ・作成・デリバリー

最初に前述の発声練習やゲームをルーティーンでやった後、各種Public Speakingの演習(エクササイズ)に入ります。

具体的には、様々なテーマでのスピーチやプレゼン等を実践しました。ちなみに、約3か月(週1回、2時間)で行った演習は以下のとおり。

  • 自己紹介(即興)
  • 1分間スピーチ(付与テーマ(例「ロンドンTube」について、即興)
  • 詩の朗読と紹介
  • 20分間WSの開催(テーマ自由)
  • ディベート(付与テーマ(例「死刑制度の賛否」))
  • プレゼン(テーマ自由)

即興と記したもの以外は、各自事前に準備して行う発表になります。例えばWSに関しては、私は「神社での参拝方法」、グラフィックデザイナーの参加者は「西洋と東洋の文字の書き方(カリグラフィー)の違い」、運動用品メーカーの参加者は「運動靴のソールの種類」など、自分の詳しい又は関心のある様々なトピックが扱われました。

そして発表後は、先生及び他の参加者からのフィードバックを受ける他、必ずデリバリーを含めた理論の実践に関する自己評価(How do I feel)を述べる機会がありました。

そしてこれら全てを通じて、正に英語でのコミュニケーションを実践する良い機会が得られたと思います。

がまくん2号
演習は、処方箋①~③すべてに有効でした。①②に関しては学んだ理論を自分のものにする練習になり、【処方箋③:興味関心を広げて話題力を上げよう】に関しては、ディベートやプレゼンの準備を通じて、ただ読み・聞き流していた話題についての英語での語彙や表現が自分のものになっていく感覚がありました。

結言(効果に対する所感)

結言として、Public Speakingを受けて以降、英語でのコミュニケーションが本当に楽になりました

大なり小なり①度胸がついた、②慣れた、③話題力が向上、したことは既にお伝えしましたが、それだけではありません。自分の中で、「自分の英語でのコミュニケーションが何故伝わりにくいのか」という理由が明確になっていて、自己修正が格段に容易になったと感じています

勿論、ローカルに混じって人前で英語で話すことは、決して簡単なことではありません。また、未だに自分全然あかんやん・・・と思う時もあり、学んだことを繰り返し継続して身につけていくことが必要かと思います。

けれど、もしある程度英語を勉強してきて、もう一段階上のレベルを目指したいと思っていたら・・・

SpeakingやListeningといった学問としての英語ではなく英語でのコミュニケーション術を学んでみることのできるPublic Speakingを、是非おススメしたいです!

がまくん2号
今回はコミュニケーションツールとしての英語を学ぶことのできるPublic Speakingを紹介しました。語学のマスターに魔法の薬はありませんが、英語圏に居る機会を大活用して、色々なアプローチで一緒に頑張っていきましょう!少しでもご参考になれば幸いです。