みなさんこんにちは。
ロンドン駐在員のかえる2号です。
私の実際の経験をもとに、詳細なステップやコツをご紹介していきますので、参考になれば幸いです。
この記事の目次
イギリスで自動車を売却する方法
手間はかからないが、買取価格が市場価格よりも安くなる。
② 個人間取引で売却する。
手間が掛かるが、ディーラに買い取ってもらうよりも高く売れやすい。
①ディーラーに売却する
ディーラーへ売却する事を考える場合は、日系ディーラに持ち込むのが一番簡単ですね。
なんといってもコミュニケーションの上でストレスなく売却できますので、英語でのやり取りが面倒・不安という方には大きなメリットだと思います。
ただ、買取価格が市場価格よりも安くなってしまうのがデメリットです。
特に駐在員が本帰国直前に売却する場合など、足元を見られやすいのではないかと感じています。
買い替えで下取りしてもらう場合は、また違うのかもしれません。
現地ディーラに売却する場合も、ディーラの利益をのせる必要がある分、個人間取引に比れば安くならざるを得ません。ただ実際に見積りは取ったわけではないので、日系ディーラとの差があるのかどうかは分かりません。
②個人間取引で売却する
次に個人間取引での売却です。
知人・友人などに売却するケースも考えられますが、こればかりは縁ですので難しいと思います。
それ以外の場合として、次の2パターンが考えられます。
個人間取引でもやはり一番ストレスがないのは、日本人の方に販売する事です。
MixBなどの日系掲示板を通じて日本人に売却できればそれが一番ラッキーです。ただし利用者の母数が少ないので中々購入希望者が見つからない事が多いです。
対してAutoTraderは中古車販売サイトとしての知名度がとても高く、購入希望者が見つかりやすいです。私も広告を出したら、すぐ翌日から問い合わせが来ました。ただし、購入希望者からの電話・メールへの応対や、試乗対応など英語でのやり取りが必須となります。
因みにAutoTraderはあくまで広告媒体として販売者・購入者の仲立ちをするサイトであり、中古車売買の決済機能はありません。最終的な売却価格の受け渡しは、銀行送金などを利用し個人間で実施する事になります。
おすすめの売却方法
理由は単純に、その方が高く売れやすいからです。
私は当初日系のディーラに相談したのですが、市場価格よりも大分安い価格を提示されました。
とてもその価格で売る気になれなかったので、「AutoTrader」を通じて売却する事で、ディーラ提示の見積りよりも£2200も高く売却する事ができました。
英語でのコミュニケーションが不安な方や、売却までのやり取りにかける手間が面倒だと感じる方は、手っ取り早くディーラに売ってしまうのが良いと思います。
多少手間が掛かってもやってみよう!
と思えるのであれば、それだけの価値は十分あると思っています。
中古車の市場価格を知る
売却を検討する際には、まず自分の車の市場価格を知っておきましょう。
市場価格を調べる際にもAutoTraderが大活躍します。
AutoTraderのサイトでは車種・走行距離・年式・ギア(AT/MT)・燃料(ガソリン・ディーゼル)などの条件を入力すれば、該当する中古車の情報が表示されます。
売却したい車の条件で検索すれば、簡単に市場価格の確認ができます。
ディーラーの見積と比べる上でも便利です。
具体的な検索方法は次の通りです。
AutoTraderで市場価格を調べる方法
AutoTraderのウェブサイトにアクセスすると、検索条件を記入する欄があります。
ここで、「More Opetion」を選択すると、このような細かな条件検索の画面が開きます。
ここから、自分の車と同等の条件を入力してみて下さい。
この際、検索画面の下の方にある「Preference」という項目に注意しましょう。
「Cat S/C/D/N」はいわゆる事故車のクラスで、ダメージがあった車を修理して販売しているものになります。事故車は安く売られていますので、市場価格を見る際はExclude Cat S/C/D/Nを選択して検索対象外にしましょう。
また、その隣の「Private & Trade」では、個人販売(Private sellers)かディーラー販売(Trade sellers)かを選択できます。一般にディーラーの方が信用度が高く価格は高くなる傾向にあります。
個人で売却するならば、Private sellersがどの程度の価格で売っているのかを見てみましょう。
同様の車を販売しているいわばライバルの価格設定を知ることができます。
ただ個人販売だとたまに市場価格に比べてとても安く設定されている事もあるので、ディーラー価格も合わせて確認し、それより少し下に設定する事を考えると良いと思います。
個人間取引で必要となる手続き
イギリスでは個人間取引が盛んと言われますが、それも納得できるほど簡単な手続きですので、安心してください。
② New keeper slipを購入者に渡す。
車を売却する際にやらなければならない事は、上記のたった2つです。
両方とも自動車の登録証にあたるV5Cの資料に含まれます。
① 車のオーナー変更手続き
売却によって車の所有者が変更となった事を申請するものです。
V5Cの2項「Selling or Transferring my vehicle to a new keeper」に該当します。
V5Cの郵送でも申請可能ですが、Online申請がおすすめです。
申請には次の情報が必要ですので、購入者から必要な情報を教えてもらうようにしましょう。
具体的なOnline申請手続きの例は、後ほどご紹介します。
・車を売却した日付
・購入者の氏名、住所
・【任意】売却時の走行距離
・【任意】購入者の生年月日・email address・免許証情報
② New keeper slipを購入者に渡す
V5Cの6項に「New keeper slip」という箇所があります。
切り取り線が入っていて切り離しできますので、こちらを購入者に渡す必要があります。
このNew keeper slipは購入者がRoad taxを支払うのに必要です。
購入者はRoad taxの支払いなしに車を運転することができないので、これがないと車を引き取る事ができません。
売却する側としては、New keeper slipを手渡すだけですので、特に難しいことはありません。
実際に売却した際のステップ
とはいっても、実際にはお金や車の受け渡しなどのステップがあります。
詳細なステップがイメージできないと不安だと思いますので、私が実際にAutoTrader経由で販売した際の具体的な手順やコツをまとめておきます。
大まかな流れは次の通りです。
(2) AutoTraderに広告を出す。
(3) 購入希望者とのやりとり(下見・試乗・価格交渉)を行う。
(4) 購入希望者と合意。
(5) 車の受け渡し(支払い受取、New keeper slipを渡す)
(6) オーナー変更手続きを実施
(7) その他の手続き確認
私の場合は、広告を出してから車を売却完了するのに1か月弱かかりました。
各ステップの順序などこの通りにやらなければならない、というものではないので、一例として参考にしてください。
(1) 洗車して写真を撮る。
自動車を売ると決めたらまず最初にやることは、キレイな「商材写真」を撮ることです。
これがAutoTraderに広告を出した際にも、大きな差別化になります。
AutoTraderの中古車写真を見て驚いたのですが、結構汚い写真が多い・・( ´∀` )(笑)。
写真がぼやっとしていてよくわからなかったり、車体が汚れているままだったり、車内の埃やゴミが映っていたり・・自分が買う側の気持ちになれば、そんな車を買いたいと思いませんよね。
写真映りは超大事です。
撮り方一つで綺麗なのにボロく見えてしまう事もあります。汚れや傷を隠す必要はありませんが、見た人が興味を持ってくれるように綺麗な写真を撮ることを心がけましょう。
という事で、まずは洗車に行きましょう。
洗車屋さんでは車内も綺麗にしてくれるプランがありますので、それを頼むと楽ちんです。
私はそれでも車内の汚れなどまだ残っていたので、掃除機やワイプなどで気になる箇所を掃除しました。
洗車後は写真を撮っていきますが、撮り忘れのないように全方向から写真を撮っておきましょう。あとは傷・へこみなどがある場合は対象箇所のアップがあると良いです。車内も運転席・助手席・後部座席・ナビ周り・トランクなど一通り撮っておくと良いかと思います。
私はスマホで写真を撮りましたが、最近のスマホカメラは高精度なので、十分すぎるほどきれいでした。
AutoTraderでは20枚まで写真を掲載可能です。なるべく沢山の写真を掲載した方が親切ですので、見栄えの良い写真を沢山取っておきましょう。
(2)AutoTraderに広告を出す。
次にAutoTraderに自動車売却の広告を出します。
AutoTraderは有料ですが、利用者の数が多く広告費を支払うだけの価値があります。
AutoTraderでは、広告期間に応じてプランが数種類あります。
おすすめは無期限のUltimateプランで、実際私もこちらを使いました。
最も安いBasic(£36.95)ですと価格も安いですが、2週間しか広告が掲載されません。
Ultimate(£74.95)は無制限で売れるまでずっと掲載可能で、広告も検索結果に表示されやすくなるようです。
なるべく高く売る事を考えると、販売価格は最初は高めに設定して、問合せの状況に応じて少しづつ値段を下げて市場価格と調整するのが良いと思います。しかし、広告期間が限られていると、この価格で1週間様子をみてみよう、といった調整がしにくいです。
広告掲載する際には、写真と共に自動車の状態の説明書きを記載します。
もしも傷や修理歴などがある場合は、包み隠さず記載しましょう。嘘をついて販売してもトラブルの元です。
また、過去のMOTや修理・サービスなどのヒストリがある場合は、アピールポイントとして記載しておきましょう。毎年のMOT結果のレポートや、修理・点検作業を実施した際のレポート・インボイスなどがあればOKです。
色々な方とやり取りをしましたが、過去のサービスヒストリの有無を重視する方が多いです。
AutoTraderの具体的な出品手続きは、後ほどご紹介します。
(3) 購入希望者とのやりとり(下見・試乗・価格交渉)を行う。
広告を出したら、購入希望者からの連絡を待ちます。
AutoTraderでは、電話 or メールで購入希望者からの連絡がきますので、都度対応します。
相手に購入意思がある場合、車の下見・試乗をリクエストされますので、日にちを調整します。下見の際には、サービスヒストリが見たいと言われる事が多かったので、手元に準備しておくとスムーズです。
また、万が一にも盗難などの被害にあわないために、試乗の際には必ず同乗し、常にカギは自分が持つ事を心がけましょう。
電話で事前に感触を聞かれる事も多いですが、購入希望者が下見に来ると大抵は価格交渉になります。
どの程度値下げに応じるか、あらかじめ値下げの許容幅を考えておくと良いです。中には無茶な値下げ要求をしてくる人もいるので、そのような時はきっぱり断りましょう。
他にも下見希望者がいる場合などは、それを引き合いに交渉材料にするのもありです。
私は最大でも£500までの値下げと決めていて、最終的に£300の値引きで合意する事ができました。
下見には車に詳しい家族や友人などと一緒に来る方が多かったです。
最終的に購入してくれた方は比較的若い男性だったのですが、おじいちゃんが一緒に下見に来ていてエンジン回りとかオイルの状態とかを見ていました。
(4) 購入希望者と合意。
私の場合は、下見に来た際に気に入ってもらい、その場で価格交渉して合意となりました。
その際、想定していなかったのですが相手からデポジットを払う、と言われたので£250のデポジットを現金で受け取り、車をその方用にキープするという約束をしました。
デポジットのやり取りは必須ではないと思いますので、相手に応じて対応すればよいと思います。
その後、メールで車を受取りに来る日程について調整しました。その際に支払い方法についても話をして、当日銀行送金で行うと決めていました。
(5) 車の受け渡し(支払い受取、New keeper slipを渡す)
車の受け渡し当日は、車の状態の最終確認をしてもらった後、家に上がってもらい支払いや書類のやり取りなどを行いました。
事前に私の銀行口座情報は連絡済でしたが、支払いはその場で実施しました。
私の目の前でスマホで送金手続きをしていたようで、しばらくした後に私のオンラインバンクで着金の確認ができ、無事全額の支払いを受取る事ができました。
この際、着金確認に少し時間がかかったので、なにやら銀行の担当者に電話して話をしていたので少しヤキモキしましたが・・なんにせよ無事送金されて良かった( ´∀` )
送金を待っている間にオーナー変更に必要な情報(名前・住所など)を確認し、メモをとりました。
その後着金を確認してから、New Keeper Slipとサービスヒストリ資料・車のキーを手渡しました。サービスヒストリは相手が次に自動車を売却する際に必要なので、渡してあげると良いでしょう。
New Keeper Slipを受取った相手は、すぐにスマホでRoad taxの支払いを済ませて、そのまま買ったばかりの車に乗って帰って行きました。
【補足】AAのBuyers-Sellers Contractsがおすすめ
車の売却の際に色々調べていて、AAのHow to sell a carという記事を発見しました。
この中で紹介されている「Buyers-sellers contracts」という購入者・販売者間の契約書がとても良いと思ったのでご紹介します。
上記抜粋の通り、購入者から「見たまま、試したまま、保証なしで購入した事」について合意の署名を得られるものとなっていて、後々のトラブルを避けるために役立つと思います。2部作成し、相手と自分用に1部ずつ保管します。
また、V5Cの必要書類のやりとりをしたかどうかなどのチェック欄もあって、手続き面でも漏れがないように安心できます。
私はV5Cなどのやり取りと合わせて、この契約書にサインをしてもらいました。
相手も快く受け入れてくれました。
(6) オーナー変更手続きを実施
最後にオーナー変更の手続きを実施しました。
車の受け渡しが夜で疲れたので、実際には翌日の朝にオーナー変更の申請をオンラインで実施しました。
オーナー変更手続きが無事完了すると、1週間程度でオーナー変更された事の通知書が届きます。
(7) その他の手続き
ここまでで自動車の売却は完了していますが、売却に伴ってその他自動車関係の手続きも確認しておく必要があります。
・自動車保険の変更・解約
・AAなどロードサービスの変更・解約
【付録①】AutoTraderで広告を出す方法
特に難しい箇所はありませんが、広告文のサンプルも紹介します。
① AutoTraderにアクセス
AutoTraderのウェブサイトにアクセスします。
※アカウントを持っていない方は先に作っておくと良いでしょう。
メニューバーの「Sell your car」を選択すると、販売方法の選択肢が表示されます。
「Place an advert on Auto Trader」を選択しましょう。
② 車両情報を入力
まず販売したい車の情報を入力します。
車の登録番号(ナンバー)と走行距離を入れると、自動で具体的なメーカ・車種・燃料などの情報が入力されます。
② 売却希望価格・広告内容を入力
売却希望価格や広告内容を入力します。内容はあとから何回でも変更可能です。
Subtitleは特にアピールしたい内容などを記載できますが、私は何も記載しませんでした。
Advert textの欄はメインの広告文になりますので、詳細説明をしっかり書きましょう。
私の例になりますが、広告分のサンプルをご紹介します。良ければ参考にしてください。
③ 連絡先情報を入力
電話・emailなどの連絡先情報や、車のある場所のポストコードなどを入力します。
e-mail連絡を許可していましたが、感覚としては電話が7割・メール連絡が3割くらいの割合でした。
④ 広告プランを選択
広告掲載期間に応じて広告プランが異なりますので、お好きなプランを選びます。
私は広告期間が無期限のUltimateプランがおすすめです。
⑤ 支払い
最後に支払い画面が表示されますので、クレジット等で支払いをして完了です。
支払いが完了するとすぐに広告が掲載され、AutoTraderから検索可能な状態になります。
ちなみに出品者用の画面は次の様なものです。
広告の閲覧回数や、お気に入り登録の回数、電話を受けた回数などが表示されます。
私の例では、一週間でお気に入り追加が10件、電話が11件となっています。
お気に入り登録の数字で、どの程度の人が興味を持ってくれているのかわかります。
私はMixBにも広告を掲載(1か月以上)しており、AutoTraderの価格よりも安く設定していましたが、問い合わせは0件でした。問い合わせの数を見ると、AutoTraderの集客力が良くわかります。
【付録②】オーナー変更手続きの方法
① オーナー変更の申請サイトにアクセス
こちらのOnline申請サイトに行き、Start nowを選択。
② 売却者の属性を選択
個人としての売却なので「No」を選択です。
③ 申請内容を選択
売却した(Sold it)を選択します。
④ 購入者タイプを選択
個人に売却した場合は「Sold it privately to a person or business」を選択します。
⑤ V5Cの説明が表示されます。
売却した際に必要な手続きのまとめが表示されます。
入力項目はないので、次に進みましょう。
⑥ 車両情報の入力
売却した車の情報を入力します。
メールアドレスを入力するとemail confirmationを受取る事ができます。
⑦ 購入者(新オーナー)の情報を入力
購入者情報を入力します。
氏名・郵便番号が必須入力で、生年月日や免許証番号は任意入力です。
⑧ 購入者の住所を選択
郵便番号を元に住所候補が表示されますので、該当の住所を選択しましょう。
⑨ 車の売却日を入力
車の売却日・走行距離(任意)を入力します。
その後、最終確認画面が表示されますので、確認して申請ボタンを押したら完了です。
⑩ オーナー変更通知を受け取る
申請完了後、私は1週間ほどで次のようなオーナー変更の通知書類が届きました。
4-6週間経っても連絡のない場合は、まだオーナーになっている可能性があるので、DVLAに問い合わせが必要です。
さいごに
イギリスでは個人間での売買が盛んなので、是非挑戦してみてはいかがでしょうか。
私の経験が皆さんの参考になれば嬉しい限りです♪
中でも個人間売買の仲介サイト「AutoTrader」で売却する方法がおすすめです!
実際に私が売却した際も、ディーラー見積金額よりも£2200も高く売却できました。
簡単なのはディーラーに買い取ってもらう事ですが、少し手間をかけて自分で売るというのも是非選択肢に入れてみて下さい♪