イギリス・ロンドンでバンクシー作品を見に行こう!【マップ付き】

みなさんこんにちは。
ロンドン駐在員のかえる2号です。

さっそくなんですが、先日ついに初めてバンクシー作品を直接見てきました!
特別アート好き、というわけでもないのですが、せっかくイギリスに住んでいるのだし・・・という感じで( ´∀` )(笑)

街中を歩きながら、どこにあるのかなーとなんだか宝探しのような気分で作品を探したり楽しかったです。

かえる2号
街中に点在するグラフィティアートは、場所を探すのが結構大変だったりします。
そこで今回は、バンクシー作品の国内マップと共に、バンクシー作品を見に行く際のおすすめの場所について、お伝えしていきます。

特にロンドン市内の作品は、ロンドン観光や日々の買い物ついでに見に行きやすいです。
アート好きな方もそうでない方も、一度見に行ってみてはいかがでしょうか!?

バンクシーとは

バンクシーの経歴

バンクシーは街中の壁などにスプレーで絵を描くスプレーグラフィティを得意としたアーティストです。
人前にその姿を一切出さない覆面アーティストであり、その本名や顔などは一切明かされていません。彼はイギリス ブリストル(Bristol)出身と言われており、ブリストルには多くのアートが残っています。

また、作品内容は単なる落書きではなく、社会風刺や皮肉を含んだ作品が多いことも特徴です。
作品の制作にあたっても姿を見せず、突如として出現するバンクシーのアート作品は、いつもイギリスメディアを賑わせています。

また、彼の作品はオークションで高値で取引される事が多く、その落札額がニュースになることもしばしば。
特に印象に残っているのは、2018年10月に落札されたバンクシーの代名詞とも言える作品「風船と少女」です。

ロンドンで開催されたオークションで、この作品が104万2000ポンド(約1億5000万)で落札された瞬間、あらかじめ額縁に仕込まれたシュレッダーによって作品が裁断されてしまいました。
そのときの様子はこちらの動画から確認できます。

また、最近では2022年11月にウクライナの各地でバンクシー作品が突如公開され話題になりました。バンクシーは「ウクライナの人々との連帯」を示しているようで、その後販売されたプリント作品の売上はウクライナ支援団体の活動資金に充てられるとの事です。

公式インスタグラム・ウェブサイト

バンクシーの公式ウェブサイトはこちらです。
また、公式インスタグラムもあります。

新しく作品が世に出ると、ウェブサイトやインスタに情報が出る事もありますので、要チェックです。

バンクシー作品はどこにある?

バンクシー作品は普通に街中で見つける事ができます。

ただし、グラフィティアートという性質上、上書きされてしまったり、消されてしまったりする事もあります。
バンクシーのイギリス内での人気は高く、最近は作品が出ると上書きされないように保護ケースがつけられたりする事も多いようですが、バンクシーだけこれだけ認められていると思うと、それはそれで面白いですね。

バンクシー作品は壁に描かれたアートが多いので、そこにある事を知らないと中々気づかなかったり、場所を探すのが結構大変だったりもします。

かえる2号
そこで、イギリス内のバンクシー作品の位置情報・簡単な作品解説を作りました。
バンクシー作品を探しに行く際は、是非参考にしてみてください。

バンクシー作品 イギリス国内マップ

この地図は、直接見に行って全て確認したのではなく、インターネット上で情報収集したものを反映して作成しています。バンクシーの作品は、その性質上消されてしまったり、見る事ができなくなっている可能性もありますのでご理解ください。

バンクシー作品巡りのおすすめスポット

せっかくバンクシーの作品を見に行くなら、効率的に何個か見てまわりたいですよね(笑)
グラフィティアートはその性質上、見に行った時にはなくなっていたり、状態が変わっていたりする事もありますので、1個だけ狙い撃ちしようとすると外した時が悲しいです。

上の地図をご覧になるとわかると思いますが、バンクシーの作品はイギリスの様々な地域に点在していますが、いくつか作品が固まっている地域もあります。

かえる2号
バンクシーを一気見するのにおすすめな地域と、そこで見つける事のできる作品を一部ご紹介していきます。予め場所を知っておけば、国内観光と合わせてバンクシーを見に行く、なんてこともできちゃいます。

ロンドン市内 買い物ついでにチェック

なんといっても一番気軽に行きやすいのはロンドン市内です。
イギリス旅行の方なら市内観光のついで、在住者であれば買い物のついでに寄ってみる事ができます。

Oxford circusやPiccadilly circusなどの買い物エリアに行く場合は、少し行けば「Extinction Rebellion」や「Falling shipper」などの作品を見に行くことができます。

それだけじゃもの足りない場合は、ロンドン東エリアには更に多くの作品が点在しています。
ここではニューヨーク出身アーティストのバスキアのオマージュ作品などを見つけることができますよ。

Extinction Rebellion

作品概要
2019年の作品。Marble Arch周辺で行われた環境団体Extinction Rebellionの抗議活動のすぐ後に登場したことから、彼らの活動に賛同の意図があると言われている。ただし、バンクシー自身は作品と団体の活動の関係性に言及したことはないとのこと。現在は透明な防護ガラスで覆われている。

Falling Shipper

作品概要
2011年の作品。作品のあるMayfair地区は高級ショッピング街であり、消費主義への懐疑的な見方を示していると言われている。真っ逆さまに落ちている状況と裏腹に、買い物客は商品の入ったカゴから手を離していない。

Banksy Basquiat

作品概要
2017年の作品。ニューヨーク出身アーティストのジャン=ミシェル・バスキア (Jean-Michel Basquiat)へのオマージュ作品。当時付近で開催されていたバスキア展の時期に作成された。警察に取り調べを受けている中央の人物は、バスキアの Boy and Dog in a Johnnypumpという作品に出てくる。

Bristol(ブリストル)観光とセット

次のおすすめ地域は、バンクシーの出身地と言われるブリストル(Bristol)です。
ブリストルはイギリス南西部に位置している湾岸都市で、ロンドンからの日帰り旅行も可能です。ロンドン-ブリストル間は電車で約1時間45分、車だと2時間30分くらいです。

ブリストルで人気の観光スポットは、1864年に作られた世界最古の吊り橋「クリフトン吊り橋」や、19世紀に世界初の大西洋横断を果たした蒸気船を博物館船として展示している「SSグレートブリテン号」などがあります。クリフトン吊り橋は切り立つ崖に架かっており結構見ごたえがあります。

また、ブリストルのすぐ隣には世界遺産登録の街バース(Bath)があります。
バースもそれほど広い街ではありませんので、バース+ブリストルをセットにして週末1泊2日旅行もおすすめです。

ブリストルには、フェルメールの真珠の耳飾りの少女をモチーフにした作品がとても有名ですね。
バンクシーを有名にしたとも言われる「Well Hung Lover」も見られます。

Girls with a Pierced Eardrum

作品概要
2014年の作品。
オランダの巨匠フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」をモチーフにした作品。
フェルメールの作品では耳飾りがある場所に、ちょうど警報機がくるように描かれており、Girl with a Pierced Eardrum(鼓膜の破れた少女)と呼ばれている。2020年のコロナ禍では、口元にマスクが付け加えられたが、バンクシー本人がやったかどうかは不明。

Well Hung Lover

作品概要
2006年の作品。
窓から片手でぶら下がっている裸の男性が描かれています。窓の中には周囲を見渡す男性とその妻と思われる女性がおり、裸の男性は寝室から逃げ出したばかりのように見えます。
この作品が描かれた当時は、この壁の建物はBrook Sexual Health Clinicという性感染症の予防・治療向けの病院がありました。青や白のまだらな部分は2009年に、ペイントガンで汚されたものであり、元々はなかったものだそうです。

Norwich(ノリッジ)観光とセット

2021年8月13日に発表された「A Great British Spraycation」の一連の作品が集まっているのが、Norwich(ノリッジ)から少し東にある海岸沿いのエリアです。
ノリッジは、ロンドンから電車で約2時間、車で約3時間です。

ノリッジはあまり観光地として有名な印象はありませんが、ノリッジ大聖堂や11世紀から続く英国最大級のノリッジマーケットなどが人気です。夏のシーズンであれば、海外沿いのビーチエリアを楽しむ事もできます。

「A Great British Spraycation」は、コロナ禍で実施されてきたイギリスのLockdown政策が緩和されていく中で発表された作品で、最新のバンクシー作品を一気に見る事ができます

Luxury Rentals Only

作品概要
2021年8月13日に発表された、「A Great British Spraycation」の一連の作品の一つ。防波堤の壁に描かれており、ヤドカリが掲げる「Luxuary Rentals Only(高級賃貸だけ)」との看板を貝のないヤドカリが文句を言いたげに見ています。
作品のある海岸沿いの周辺エリアはsecond home(別荘)が非常に多く、少し西のBlakeney地区などは実に43%の住宅がsecond homeと言われています(2021年8月情報)。そのような事情から、公共交通機関などの公共サービスが行き届かないという問題もあるようです。とても可愛らしいヤドカリですが、背景を知るとまた違って見えます。

Bus Shelter Dancers

作品概要
2021年8月13日に発表された、「A Great British Spraycation」の一連の作品の一つ。
バスの停留所の上でダンスしている男女とアコーディオンを弾く男性が描かれています。
人物は実物大で描かれており、なんとも陽気な雰囲気を醸し出しています。
イギリスでは2021年夏からロックダウン政策の大半を解除しており、このような時期に登場したことを考えるとロックダウン緩和に対する喜びを表現しているようにも見えます。

最後に

いかがでしたでしょうか?
今回はイギリスを代表する覆面アーティスト「バンクシー」についてご紹介しました。

かえる2号
バンクシー作品を見るのに入場料なども不要なので、特にロンドンなら気軽に見に行くことができます。
週末など気が向いた時に是非見に行ってみて下さい。

私自身アートには特別興味もなく、バンクシーもせっかくだから程度に思って見に行ったのですが、いざ見に行くと意外と楽しかったです。また、作品を調べていくと色々な意味が込められた作品がある事もわかり、興味深く見る事ができました。

最後に一つ、私が個人的に好きだった「Game Changer」という作品もご紹介しておきます。
この作品はSouthampton(サウサンプトン)で見つける事ができます。

作品名の通り、コロナによって世界が様変わりした事や医療従事者への感謝の気持ちが表現されています。
生活様式から仕事まで本当に影響が大きかった2020年の当時の様子が思い浮かび、今まで当たり前だったことが突如として変わる可能性があるのだと、改めて思い知らされます。

Game Changer

作品概要
2020年の作品。コロナウイルスの流行によるロックダウン中の5月7日に、コロナウイルスと闘う医療従事者を称えサウサンプトン総合病院に寄贈された作品。
作品を見ると、バットマンやスパイダーマンなどのヒーロー玩具をほったらかし、マントを纏った看護師の人形で子供が遊んでいる。
バンクシーが作品と共に送った手紙には、「あなたたちの尽力に感謝します。モノクロの作品ではありますが、少しでも現場が明るくなることを願っています」と書いてあったそうです。その後、2021年3月23日にオークションにかけられ、£16.7M(約25億円)で落札、バンクシー作品の史上最高額を更新。オークションで得た収益はイギリス国民医療サービスのNHSに寄付されている。オークションの後は、レプリカの展示がされているようです。