海外駐在員がやってはいけないこと7選

皆さんこんにちは。
ロンドン駐在員のかえる2号です。

駐在員として海外で働くことは、苦労と挑戦の連続です。
特別なバックグラウンドなどなく、英語があまり得意でないという方も海外赴任を命じられるケースもあります。
もちろん会社としては、その方なら大丈夫だと期待しての事だと思います。

しかし、たとえ英語が堪能であっても、海外で働いた経験がないのであれば異なる文化圏での仕事に不安はつきものです。

かえる2号
そこで今回は、海外駐在員がやってはいけないNG行動をまとめました。
イギリス駐在を通して得た経験から、私が気を付けるべきだと思うポイントをお伝えしていきます。
せっかくの海外赴任、ちょっとした事で躓かないようにしていきましょう!

人前で怒る

かえる2号
まずは定番ですが、人前で怒ったり・声を荒げる事は厳禁です。絶対にやめましょう。

日本では当たり前だったことを現地社員ができなかったり・知らなかったりや、何度説明してもわかってくれないときなど、ついイライラして怒ってしまいがちですが、その時はぐっとこらえて一旦落ち着くようにしましょう。

日本でも最近は減ってきていると思いますが、イギリス・欧州で人前で怒るという事は侮辱と捉えらえてもおかしくありません。
日本では部下がグッとこらえていてくれた事も、こちらで同じようには行かないと思いましょう。

上司や同僚としての信頼関係を失うばかりでなく、最悪パワハラで訴えられます
現地社員のモチベーションにも影響しますし、現地社員からの評価も急降下間違いなしです。
また、メールで相手を非難するような叱責のメールも送らないように心がけましょう。メールは記録に残りますので、パワハラや差別の証拠にされる可能性があります。

また、現地社員自身の精神的ダメージは大した事がなくても、将来的に会社と揉めたりして関係が悪くなった時に引き合いに出され、会社や自分自身の立場を悪くしてしまう可能性もあります。

業務上指摘する必要があるのであれば、あくまで一対一の場面で伝えるのが良いです。
もちろんその際も怒鳴らずに、職務上の改善すべき内容・期待している行動などを落ち着いて伝えましょう。

英語でコミュニケーションをとろうとしない

海外で働いているのに、英語でのコミュニケーションをなるべく避けたがる駐在員がたまにいます。出張者ならまだ許されますが、駐在員でこれは言うまでもなくダメです。

我々は出張者ではなく、現地企業の一員として働く駐在員なのです。
海外経験という成長機会を失うだけでなく、現地社員から信頼されなくなります

英語を避けていると、やがて現地社員からの情報が入ってこなくなり、孤立していくハメになりかねません。

英語を避けずに向き合う姿勢

かえる2号
英語が苦手だとかそんな事は全く関係ありません、下手でも良いのでとにかく話すようにしましょう。
見られているのは「話す姿勢」だと思って、きちんと現地社員とコミュニケーションをとりましょう。

過去からずっと英語ペラペラの駐在員が派遣されているような企業でない限り、ぶっちゃけ現地社員も日本人駐在員が流暢な英語をスラスラと話す事を期待していません。(本来はそうあるべきですが・・)

中々話そうとしない駐在員よりも、文法などめちゃくちゃでもきちんとコミュニケーションをとろうとする駐在員の方が信頼関係を築きやすいです。

話す姿勢が見られない駐在員は信頼されず、結局本社や日本人駐在者の事しか見ていないんだな、と思われてしまいます。

会議は英語で通す

日本人と現地社員が参加している会議で、頻繁に日本語で話すなんて事も避けた方が良いでしょう。
重要なポイントを確認する際など、必要最低限におさえる分には問題ないと思いますが、その場合も一言断りを入れてから日本語で話す方がベターです。

あまり日本語でばかり話していると、現地社員としても良い気はしないでしょう。

赴任挨拶で英語能力を卑下しない

海外赴任で初めて海外で働く事に対して、不安が一杯あると思います。
もし英語に自信がないならなおさらです。

そんな状況での赴任挨拶、えてして「英語は苦手なので・・・」とか言ってしまいがちです。
気持ちはとてもよくわかりますし、中には英語が話せるのに、日本人的な感覚で自分を卑下してこう言ってしまうケースがあります。

しかし、これはよくありません。
言うまでもなく英語が共通語のイギリスで、自らコミュニケーション能力がないと宣言しているのです。
日本人の謙虚さ・曖昧さの残る表現は、現地社員には弱気で自信がない様に映ります。
なんで英語ができない人が駐在員として来たのだろうか、なんだか頼りない人がきたな、と第一印象を悪くする可能性があります。

かえる2号
駐在員の英語能力は、言わずとも話したら伝わります。
実際に英語力が低いとしても、それを自ら宣言することに何もメリットがありません。

海外でも大丈夫と信頼されて駐在員に選ばれているのです。海外駐在で不安な気持ちはわかりますが、挨拶は前向きな言葉で自信を持って話しましょう

阿吽の呼吸を期待する

日本では、多くを語らずともこちらの意図を組んでくれる事が往々にしてあります。
しかし、海外でそれを期待するのはやめましょう。

かえる2号
仕事を依頼する際は、期待するアウトプットを明確に伝えておくと、期待とのズレが少なくなります。
現地社員は言われた仕事はやってくれますが、“言わなかった事”はやってくれません
これを言葉の通り理解しておいた方が良いです。

勤務経験が長く、日本人の習性?をよく理解している現地社員がいる場合は、意図を汲んでくれるケースがありますが、大抵はそうなりません。

あくまで私の感覚論になりますが、言われた事は比較的早くやってくれますが、確認をしないので全体的に仕事の仕上がりが雑な傾向が強いです。例えばデータ分析・入力など頼んでも、ダブルチェックをしないので凡ミスが多いです。

仕事の成果物を受取ったら、最初の何回かは特に詳細をきっちりチェックしましょう。
それでその社員がどの程度見てくれているのか、なんとなくわかってきます。

また、仕事を依頼する際、担当があまり背景を知らない場合は、きちんと背景を説明しましょう

イギリスでは、ジョブディスクリプションと呼ばれる職務記述に従って仕事をします。
現地社員の給料はジョブディスクリプションに記載された内容によって評価されますので、背景の見えない(自分の業務との関連性が見えない)仕事は手を抜かれますし、やりたがりません。

なんのためにその仕事が必要なのか、きちんと説明する事で彼らも安心して仕事を進めてくれるハズです。

異文化を許容できない

特に赴任間もないときは、現地企業での社員の働き方・仕事のアプローチの方法など受け入れられない事があります。日本のやり方と違うので、非効率で間違っているように映ることもあります。

しかし、現地には現地のやり方があります。
働いている国・環境・人が違えば働き方もマネジメントの方法も異なってきますので、異文化を理解しようとすることが重要です。

日本の常識は海外の非常識

日本での働き方しか知らず、それが常識≒正しいと感覚的に思ってしまっていると、現地企業での働き方の違いを受け入れられない事があります。

そして働き方やアプローチの異なる現地社員を認められずに、単にその社員の能力が低いと勘違いしたり、現地企業のやり方が間違っていると結論づけてしまうのです。しかし、思い通りにならないのは指示が良くないのかもしれません。日本のやり方と違うからと言ってそのやり方が間違っているとは限りません。

働いている個々人の文化的背景が大きく異なるため、商習慣も異なる可能性があります。

体験談:どっちが非効率?

詳細はお話できないのですが、日本の常識が海外の非常識であった一例をご紹介します。

私はとある仕事の依頼の為、ある外部企業とやり取りをする機会がありました。
私は日本でも同様の仕事の経験があった(日本では外部企業の立場の仕事を経験していた)ので、作業完了に向けた進め方はきちんと把握していました。

しかし、いざやり取りを進めるとびっくり。まったくやり方が違うのです
例えて言えば、日本式はステップごとに順番に作業を完了させていく方法。1がおわったら2の作業, 2が終わったら3の作業、というイメージです。

ところがイギリスでは、1も2も3も一斉に始めます。それぞれの作業がバラバラに進んでいくので、日本式に慣れた私の目には、とにかくごちゃごちゃして分かりにくく、とても非効率に映りました
また、1の作業にミスがあったら、2の作業の一部を修正しなければいけなくなる可能性があります。最悪、無駄作業となり時間と労力を捨てる事になりかねません。

・・・ある時、取引先の担当者と打ち合わせした際に、日本ではこういう進め方をしているんだ、と話しました。

すると彼は、

なんでそんな非効率な進め方をするの?
と私がイギリス式に感じていた事と全く同じ感想を話し出しました。

彼曰く、できる作業をさっさと進めた方が早いじゃないか、と。
もし変更しないといけないなら、またその時にその部分だけ修正すればよいだけじゃないか、というのです。

私はその後も同じ仕事を異なる取引先としましたが、日本式の進め方をする企業に出会う事はありませんでした。イギリスでは、日本の進め方が非常識だったのです。

かえる2号
両方を知った私にとっては、それぞれ一長一短がありどちらも間違っていないという事に気づきます。
しかし、イギリスではイギリスのやり方が「はまる」のです。

日本式を無理にはめ込むことが、必ずしも正解とは限りません。
郷に入れば郷に従え(When in Rome, do as the Romans do)の精神で受け入れる姿勢も大事です。

ちなみに、私が異文化を受け入れる姿勢を学んだ本がこちらの「異文化理解力」です。
こちらの記事「【駐在員おすすめ】海外赴任者が読むべき本!【厳選3冊】」で詳しく紹介していますので、よろしければ合わせて確認してみて下さい。

給料・待遇の話をする

現地社員と駐在員の給与体系は大きく異なっています。
例えば、一般に駐在員の住居費用は会社負担ですが、現地社員はもちろん自分の給料から払っているわけです。

現地社員もなんとなく駐在員の給料が良い事はわかっていますが、具体的な給与や会社補助の内容までは知らないことが普通です。

ひょんなことから駐在員の給料や待遇を知った同僚が、不公平感を抱きかねません。
同じ会社で同じような仕事をしているのに、あいつはこんなに給料をもらっていて会社から補助もあるのはおかしい!

となると面倒です。

かえる2号
気が合う現地社員もいるかと思いますが、決定的に待遇が異なる駐在員と現地社員はいわば水と油。望んでも交わらないものだと思い、給料や待遇の話はタブーと理解しましょう。

派遣期間の話をする

駐在員には派遣期間があらかじめ決まっている事が多いです。

現地社員の中には、何年間と言われているのか?など聞いてくる社員がいます。
もしも聞かれた場合は、まだ決まっていないからよくわからないとか、適当にはぐらかしましょう。

過去の例から何年程度いるのか想像が付いたりしますので、現地社員もなんとなくわかっていたりしますが、明言するべきではありません。

この人はあと1年でいなくなるんだな、と思われれば頼んだ仕事が雑になったり、業務に影響が出てくる可能性があります。

マナーを守らない

仕事とは直接関係ありませんが、相手を不快にさせないために守るべきマナーがあります。
日本のオフィスで普通におならをする人はいませんよね、それと同じです。

鼻をすすらない

日本では冬場など多くの人が鼻をすすっていますが、イギリスや欧州各国で鼻をすするのはマナー違反です。気持ち悪がられますので控えましょう。

日本だと逆に人前で鼻をかむのに抵抗があったりしますが、イギリスでは人前で鼻をかむことは普通の事ですので、大いに鼻をかみましょう。音も気にする必要はありません。

イギリスでは、ハンカチやティッシュで鼻をかんでまた使ったりなどするようなので、個人的にはこれは逆に気持ち悪くて受け入れ難いのですが。。。

ゲップをしない

日本でもあまり品の良いものではありませんが、欧州では更に嫌がられます。

ゲップはとても下品で不快な行動と捉えられるので、人前でゲップするのは避けましょう
どうしてもしたい場合トイレなど人のいない所にいくか、手で覆ってなるべく音がしないようにするなど心がけましょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。
今回は、駐在員がやってはいけない事をご紹介させていただきました。

かえる2号
私の経験を通じてできる限りお伝えしたつもりです。すこしでも参考になったポイントがあれば嬉しいです。みなさんの駐在生活が実りあるものになるように願っています♪