みなさんこんにちは。
ロンドン駐在員のかえる2号です。
サーク島とは
サーク島(Sark island)は人口は約600人、島の面積は約5.2平方キロメートル程度の小さな離島で、イギリス本島の南、チャネル諸島に位置しています。
位置的にはフランス寄りですが、イギリス王室属領です。イギリスの一部として扱われていますが、それでいて独自の財源や司法・自治権を有しています。
サーク島の特徴
島内には自動車や街頭が一切存在せず、住宅などの照明も最低限です。夜に耳を澄ますと静寂の中に海の波音や風に揺れる木々の音などが聞こえ、美しい星空が現れます。都会の喧噪や眩しいライトなどから離れ、ありのままの自然を体感できる、都会の生活に慣れた我々には貴重な経験を得られる場所です。
サーク島内は自動車は走っていないので、島内の移動は基本的には徒歩か自転車です。唯一例外的に走っているのがトラクターで、観光客を港から島内部へ運ぶ目的で利用されています。
星空だけでなく、日中には美しい自然を満喫する事ができます。綺麗な海と自然に囲まれ、家族とゆっくりとした時間を楽しむ事ができる、そんな場所です。
その他にも、サーク島は「欧州における封建制度(feudalism)の最後の砦」と言われ、実に2008年まで封建制度を貫いていたという事で知られています。かつては領主が特権を有していましたが、2008年の改革によって封建制度は失われ、全ての議員が直接選挙で選ばれるようになりました。現在も領主は世襲制らしいですが、その役割は儀礼的なものに限定されているそうです。
■もっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
【自治体国際協会レポート】https://www.clair.or.jp/j/forum/pub/docs/man.pdf
サーク島への行き方
サーク島には空港はないので、最寄りの空港があるガーンジー島(Guernsey)を必ず経由してフェリーで入島する必要があります。大まかな流れは次の通りです。
②ガーンジー空港から港へ行く。
③フェリーでサーク島へ行く。
フェリーやフライトの合間時間などにはガーンジー島も合わせて観光する事ができます。ガーンジー島も堪能したい方は、別途宿泊するのも良いでしょう。
ではそれぞれの道のりについて、順に説明していきます。
①イギリス本島からガーンジー島へ行く方法
イギリスからガーンジー島へ行く方法は、空路・海路の2通りがあります。
海路は時間が結構かかるので、おすすめは空路です。
【空路で行く場合】
ガーンジー島に飛んでいる航空会社は「aurigny航空」しかないので、一択です。aurigny航空は聞きなれない航空会社ですが、ガーンジー州によって保有されている航空会社です。
フライトはロンドン近郊だとガトウィック空港からしか出ていませんので、London Gatwick → Guernseyのフライトを検索してみて下さい。
フライト時間は約1時間20分程度で、私が行った時は往復で1人約£145かかりました。格安航空ではないので価格はそれなりにかかりますね。
【海路で行く場合】
フェリーで海を渡る方法もあり、その場合はプール(Poole) or ポーツマス(Portsmouth)からの発着になります。フェリーはこちらの「condor ferries」のサイトから予約できます。
ただ、ポーツマスからだと7時間とかなり時間がかかりますので、行くならプールからになると思います。プールからでも3時間かかり、価格も一人£100以上はしそうです。
②ガーンジー空港から港へ行く方法
ガーンジー空港に着いたら、サーク島行きのフェリーが発着している東海岸沿いの港「St Peter Port Harbour」に向かいます。中心部も港方面なので、もし宿泊する場合も港方面に向かう事になるのではないかと思います。
空港から港までバスで約30分です。バス乗り場は、空港のArrivalを出て真正面に進んだ先にあるので迷う心配はありません。
私は空港ー港を往復する95番のバスに乗りましたが、他にも島内の周遊バスとして91/92/93/94番のバスが利用可能なようです。詳細は下のリンクからバスルートマップを確認ください。
【バスの乗り方・支払い方法】
バス料金の支払いはContactlessカードで支払い可能ですが、レシートがチケットを兼ねていますので、降りるまで手元に持っている様にしてください。チケット検査があった場合に持っていないと罰金を取られてしまうかもしれません。
③ガーンジー島からサーク島へ行く方法
港に着いたら、フェリーでサーク島へ向かいます。サーク島までは約50分の道のりです。
フェリーは「Sark shipping company Ltd」が運航しており、ウェブサイトから時刻表・料金の確認や予約が可能となっています。フェリーはチケットオフィスでも購入可能ですが、事前予約をおすすめします。
夏場のハイシーズンは1日の運航本数が多いですが、冬場は少ないです。フライト到着時刻から余裕を持ってフェリーの時間を考えましょう。
ちなみに私が行った時のスケジュールは、ガーンジー空港の到着が朝9:50、フェリーは15:10発のものでしたので十分に余裕がありました。お昼を港周辺のレストランで頂いて、周囲をゆったりと散策する時間もありました。
【フェリー乗船手続き】
チケットをもらう時に荷札(タグ)がもらえるので、荷札に宿泊先を記入して荷物に付けておきましょう。船がサーク島に到着したら、荷札の宿泊先情報をもとに宿泊先のホテルまで届けてもらう事ができます。
私の時はチケット引換は乗船の30分前までとなっていましたので、余裕を持ってチケットオフィスに行きましょう。ではいよいよサーク島に向かう船に乗り込みます!
【現地の写真】
サーク島に着いたら
下船後は港からサーク島の中心方面に向かいますが、下船した後も一本道なので迷う心配はありません。目の前のトンネルがWelcome to Sarkと迎えてくれていますので、人の流れに付いて進みましょう。
トラクターで丘を上る
トンネルをくぐって少し歩くと、トラクターがフェリーの到着時間に合わせて待ち構えています。私が乗ったトラクターはこんな感じです。
これがサーク島名物?の島唯一の公共交通機関です( ´∀` )(笑)
サーク島の中心方面まで一本道ですが、割と急な坂道となっているのでトラクター利用がおすすめです。トラクターに乗るとHourbor Hillという坂の上まで運んでくれて楽ちんです。子供たちはアトラクション気分で楽しんでいました。
料金は大人£1.5、子供0.5pで、勝手に座っていると出発前に運転手が料金を回収しに来ます。現金支払いになるので小銭を用意しておきましょう。
ちなみに帰りの際は逆で、サーク島→ガーンジー島行きの船の出発30分前にHourbor Hillからトラクターが出発し、港まで運んでくれますよ。
トラクターを降りたら、あとは自由気ままにサーク島を散歩しましょう♪
満天の星空を見るためのポイント
ここからは私の失敗談を元に・・星空観察における注意点をお伝えしていきます( ´∀` )(笑)
サーク島の星空は、2011年にWorld’s First Dark Sky islandとして国際ダークスカイ協会(International Dark-Sky Association)から認定されており、その美しい星空は高い評価を受けています。(国際ダークスカイ協会は、天文学者によって創設された米国拠点の非営利団体です)
これまで星空観察なんて経験の無い私は、イギリスでそんなに有名な星空スポットがあるなら、せっかくなら行ってみよう!と思って旅行の計画を立てました。街灯もないような真っ暗闇の島に行ったらきっと今までに見た事のないような満天の星空が見えると思っていました。
その日までは・・・( ´∀` )
星空観察に重要なのは月齢
サーク島の宿泊一日目。食事やシャワーも済ませるとあたりはもう真っ暗。私は期待に胸を膨らませてホテルの外にでました。
が・・思ったほど星空が見えないなぁ・・まだ早かったかな、などと考えながら散歩していたらふと気づきました。
お月様が煌々と輝いているではないですか!それもそのはず、その日は満月でした( ´∀` )(笑)
いくら街灯がないと言っても、星を見るためにはそれよりも明るい月があっては話になりません。改めて調べると、星空観察には常識だったようです。言われたらその通りなのですが、私は晴れるかどうかの天気ばかり気にして、月齢には全く考えが及びませんでした。
こちらの写真が私が満月の時に撮影した星空です。ほとんどの星は月明かりに紛れてしまいますので、明るい星しか見えていません。
星空観察におすすめの月齢は新月前後3~4日らしく、この期間であればほとんど月明かりに邪魔される事なく星空を楽しむ事ができるそうです。
月齢はウェブサイトで調べれば事前に確定できる情報です。しっかり月齢スケジュールを確認して訪問日程を立てましょう。
■月齢チェックはこちらのWebサイトから!
[Go Stargazing] https://gostargazing.co.uk/dark-sky-calendar/
天気予報
月齢の次に重要なのはもちろん「天気」です。雲が厚いと星空が見えませんので、可能な限り晴天の日を狙って行くのが良いですね。
とは言え直前ならともかく、数か月前から天気を予測するのも中々難しいです。事前に確定できる月齢と違って運に左右されますので、腹をくくって旅程を決めるしかない気がします。
おすすめ観光スポット・アクティビティ
・・といっても、正直沢山はありません( ´∀` )(笑) 自然が一番の観光スポットであり、アクティビティです。
La Coupee 断崖絶壁の絶景
サーク島一番の名所は間違いなくここ、La Coupee(ラクーペ)です。
サーク島は住居が集まる北側をBig Sark、南側に突き出た小さな場所をLittle Sarkと呼びます。
このBig sark とLittle Sarkを繋ぐ道がLa Coupeeです。横を見ても絶景で、このような綺麗な砂浜が見えます。夏場であれば海水浴を楽しむ事もできるようです。
ちなみに自転車はLa Coupeeから先へは立ち入り禁止です。レンタサイクルしている場合は手前に自転車を置いて歩く事になります。
Caragh Chocolates お洒落なチョコレート屋
Caragh Chocolatesは、サーク島唯一のチョコレート屋さんです。
定番の板チョコから、一品もののチョコレートまで多くの種類を取り揃えていて見て楽しい、食べて美味しいのおすすめスポットです。お店のロゴもお洒落でお土産にもぴったりです。
Caragh ChocolatesはLa Coupeeのすぐ手前にあります。カフェスペースも併設されているので、歩くのに疲れたら休憩がてらチョコレートを楽しみましょう。
La Seigneurie, House and Gardens ガーデンをお散歩
こちらはサーク島のガーデンエリアです。
広大な敷地や豪華な花畑があるような場所ではありませんが、のんびり散歩しながら花や、迷路を進んだりして楽しむ事ができます。
Farm 牧場
牧場エリアに行くと、牛が放牧されています。
私が行った時はコロナ禍が少し落ち着いた後だったからかもしれませんが、無人でした。
中に入っていくと、なんと無人販売が!
冷蔵庫を開けると牛乳とクリームが入っており、牛乳は£2。近くに置いてある缶に入れるスタイルのようです。イギリスで無人販売は初めて見た気がします。飲まなかったので味の方はちょっとわかりません。
サイクリング
サーク島で私たち家族が楽しんだ唯一のアクティビティは、サイクリングです。
サーク島は小さい島ですが、自転車だと移動がスムーズになります。
島内のA to B Cyclesという自転車ショップで事前予約(Web)の上、自転車を借りました。
子供と一緒に楽しめそうなこちらのような2人乗り自転車を選びましたが、子供ははしゃいで楽しんでいましたのでおすすめです。
私が自転車を借りている間に後から来た家族は、予約で貸し出せるものがないからと断られていました。
その他アクティビティ
私が行ったのは4月~5月のまだ肌寒い季節&コロナ禍明けたばかりでアクティビティは自転車くらいしかありませんでした。。
しかし、Sark島のウェブサイト情報によると夏は海水浴やボートトリップも楽しむ事ができるようです。ボートトリップでは、イルカが見れる事もあるみたいですよ♪
その他の情報
各種情報サイト・マップ
サーク島のホームぺージから、観光情報が調べられます。
サーク島 観光カタログ:https://www.sark.co.uk/brochure-2/
サーク島 宿泊先リスト:https://www.sark.co.uk/where-to-stay/
また、こちらのサーク島内マップも参考にしてみて下さい。
おすすめホテル
Sark島での宿泊先はホテルやゲストハウスが利用可能です。
上記の宿泊先リストから一覧を確認できますが、ホテル予約サイトと提携しているのは以下のホテルのみでした(’23.1月時点)。
【Clos De Vaul Creux】
ここは私が実際に宿泊したホテルです。
私が宿泊した部屋はバスタブ付きで、水圧は特に気になりませんでした。子供部屋は可愛いらしいベッドで、昔ながらのビデオテープのトイストーリーなどの映画があったりと、子供たちは楽しんでいました。
▼ExpediaでClos De Vaul Creuxをみる
【Stock Hotel】
Stock Hotelはサーク島の最古のホテルです。
雰囲気もよくて当初はこちらに宿泊したかったのですが、価格もちょっと高めなので私は見送りました。
▼ExpediaでStocks Hotelをみる
レストランは早めに予約
私が行った時は、コロナ禍の渡航制限が外れはじめた時期でした。
その影響もあってか、特に夜はレストランに行っても予約がないと断られることが多かったです。
コロナがひと段落したので今現在は大丈夫だと思いますが、念のため事前にレストランを予約できると良いかもしれません。
ギャラリー
サーク島の雰囲気を伝えるために、いくつか撮影した写真を残しておきます。
さいごに
今回は、大自然と満天の星空が満喫できるサーク島をご紹介させて頂きました。
私は残念ながら満月のために満天の星空を見る事は叶いませんでしたが、自然の中で家族とゆったりと過ごす貴重な体験となりました。皆さんの旅行計画の参考になれば嬉しいです。
サーク島はイギリス本島の南にある小さな島ですが、手付かずの自然と「星降る島」と呼ばれるような息をのむような美しい星空が見られる絶景スポットとして知られています。
サーク島はUK本島からの直行便はありませんので、少し行くのが大変です。今回は私が訪れた経験から、サーク島への行き方やおすすめ観光スポットなど、注意点を踏まえながらサーク島の魅力を存分にお伝えしていきます♪